― 冬の湖は、風の音と羽音だけを残している ―
潜水ガモたちは冬、日本各地の湖や湾に姿を見せる。 氷の縁に浮かぶ影、群れで潜る泡の列―― そこには、寒さを超えた静けさと生命の律動がある。 観察地を訪れることは、彼らの時間に少しだけ触れることでもある。
🌾目次
🌱 北海道 ― 凍てつく湖に潜る群れ
- 🟢 阿寒湖・釧路湿原: ホオジロガモ、ウミアイサ、ミコアイサなどが越冬。氷の割れ目で潜水を繰り返す。
- 🔵 風蓮湖: スズガモやホシハジロの大群が見られる。日本最大級の潜水ガモ越冬地。
- ⚪ ウトナイ湖: 鳥獣保護区として有名。水鳥観察施設も整備されており、初心者にも最適。
冬の北海道は厳しい寒さの中にも、 白い息と羽音が響く“静かな楽園”となる。
🌿 東北・北陸 ― 雪と水鳥の交わる場所
- 🟢 十和田湖(青森・秋田): 森と雪に囲まれた湖でホオジロガモやミコアイサが見られる。
- 🔵 片野鴨池(石川): 国指定鳥獣保護区。スズガモ・ホシハジロ・ハシビロガモなど多様。
- ⚪ 猪苗代湖(福島): コガモやキンクロハジロが多く、朝焼けの観察に最適。
雪の降る湖に浮かぶ黒と白―― それが冬の東北で見られる“水の詩”だ。
🔥 関東・中部 ― 都市の中の冬鳥たち
- 🟢 霞ヶ浦(茨城): ホシハジロやスズガモの越冬地。日没時の群れの飛翔が美しい。
- 🔵 多摩川(東京): ミコアイサ・カワアイサが観察される。都心から近い潜水ガモ観察地。
- ⚪ 諏訪湖(長野): 凍結部分の間を縫うように泳ぐ潜水ガモが印象的。
都会の光の下でも、潜水ガモたちは静かに冬を越している。
💧 近畿・西日本 ― 湾と河口に集う潜水者たち
- 🟢 琵琶湖(滋賀): 日本最大の内湖。ホシハジロ・スズガモ・ハシビロガモなどが数万羽規模で渡来。
- 🔵 中海・宍道湖(島根・鳥取): 海水と淡水が混じる汽水湖。ウミアイサやカワアイサの好環境。
- ⚪ 有明海(佐賀・熊本): 冬にはウミアイサの群れが沿岸を彩る。
西の湖や湾は、古くから“鴨の里”と呼ばれ、 人と鳥の共存の記憶が今も息づいている。
🌙 詩的一行
冬の湖は、沈黙の羽で語りかける。
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