乾きゆく湿地で見つかった“失われた魚” ― Moema claudiae 再発見(2025年11月16日)

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ボリビア東部・ベニ県。
雨季と乾季が強く入れ替わる低地の湿地で、静かな奇跡が起きた。
20年以上姿を見せず、ほぼ絶滅と考えられていた年魚(キリフィッシュ)の一種 Moema claudiae が再び確認されたのだ。

Moema 属の魚は、雨季に現れる一時的な池で一生を終える“年魚”。
水があるのは数か月だけ。
そのわずかな季節に産まれ、成長し、卵を残して消えていく。

今回の再発見は、小さな泥の窪地にわずかに残った水の中で行われた。
地元研究者は「乾燥化が進む地域で、よく生き延びていた」と驚きを語る。
気候変動と土地利用が湿地を縮め、この魚の生息地は今や極めて限られている。

年魚の卵は乾季を土中で越すことで命をつなぐ。
だが、湿地そのものが消えれば卵も残らない。
研究チームは、今回の発見を「保全の最後のチャンス」とし、
池の保護と土地開発の見直しを呼びかけている。

この小さな魚は、人がほとんど気づかない湿地の陰で、季節の巡りとともに生きてきた。
その姿は、地球の最も脆い場所に宿る生命の“しぶとさ”を静かに伝えている。

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― 変わりゆく地球を見つめる観察記 ―

出典:Regional Field Surveys(2025年11月)/Science News Outlets

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