「森に咲く星」― インド北東部の山林で、希少ホヤ2種を新記録(2025年11月10日)

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インド最北東、アルナーチャル・プラデシュ州。
大河と深い谷が刻むこの山地は、世界有数の生物多様性ホットスポットだ。
その森の奥で、研究者たちはホヤ属(Hoya)の希少植物2種を新たに記録した。

「ホヤ」と聞くと海のホヤを思い浮かべる人もいるだろう。
だが今回見つかったのは、ガガイモ科に属する森に生きるつる性植物だ。
葉の上に星のような花をつけることから、海外では“ワックスフラワー”とも呼ばれる。

記録されたのは、インドでも観察例が極めて少ないとされてきた2種。
どちらも人の立ち入らない急峻な森林に限られ、分布域が数キロ四方にとどまる可能性がある。
研究チームは「気候変動や開発の前に、保全計画が急務」と指摘している。

ホヤは湿り気のある岩肌や大木に絡みつき、暗い森の光を受けて花を開く。
その姿は、熱帯の森がまだ深く息づいている証のようだったという。

日本では観葉植物として知られるホヤだが、野生種の多くは生息地を狭く限定されている。
今回の発見は、熱帯アジアの森が抱える静かな豊かさと、同時にその脆さを教えてくれる。

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出典:Times of India / Regional Botanical Surveys(2025年11月)

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