🐒 サル10:マンドリル・ヒヒ類 ― サバンナを歩くサル ―

サルシリーズ

  • 分類: 哺乳綱 サル目 オナガザル科(マンドリル属・ヒヒ属)
  • 学名: Mandrillus spp./Papio spp.
  • 分布: アフリカ中部〜東部(森林・サバンナ・草原)
  • 体長: 50–95cm(種により大きく異なる)
  • 体重: 15–40kg(大型のマンドリルは約45kg以上)
  • 食性: 雑食(草・果実・種子・昆虫・小型動物など)
  • 社会: 大規模な群れ(数十〜数百頭)/明確な順位制
  • 特色: 強靭な四肢・地上生活への適応・鮮やかな顔(マンドリル)

― 乾いた草原を、長い列になって進む影がある。
マンドリルやヒヒ類は森の枝ではなく、地面の上を主な舞台として生きてきたサルだ。
強い腕と脚、鋭い感覚、そして巨大な群れでの複雑な社会行動――彼らは“サバンナのサル”として進化の道を歩んできた。

ここでは、地上生活への適応、社会構造、食性、そしてマンドリル特有の鮮やかな色彩など、サバンナを生きるサルたちの特徴を見ていく。

🐒目次

🦁 1. 地上のサル ― 強靭な四肢とサバンナ適応

ヒヒ類(バブーン)は地上生活に強く適応しているサルで、四足で素早く歩き、長距離の移動も可能だ。

  • 四足歩行の発達: 地上での機動力が高い
  • 強い顎と犬歯: 草から小動物まで対応できる
  • 乾燥環境への適応: 水場の記憶・外敵の警戒行動

草原・岩場・開けた土地など、樹上生活が難しい環境を巧みに利用する。

👥 2.大規模な群れ ― 階級と連携の社会

マンドリルやヒヒ類は、霊長類の中でも最大級の群れを作ることで知られる。

  • 数百頭規模: 資源の多さや安全の確保に有利
  • 明確な順位: 雄間・雌間ともに序列が存在
  • 見張り役の存在: 群れを守るための役割分担

大きな群れは捕食者への防御の強化につながる。

🍂 3. 食性の幅 ― 草・根・昆虫・小動物

サバンナのサルは、環境に応じて柔軟に食べ物を変える。

  • 草・根・塊茎: 乾季に貴重な栄養源
  • 果実・葉: 季節で利用が変わる
  • 昆虫・小動物: タンパク源として重要

雑食性が、厳しい季節のある環境での生存を助けている。

🎨 4. マンドリルの色彩 ― 顔と体に刻まれたサイン

マンドリルは、サルの中でも特に鮮やかな顔と体の色を持つ。

  • 青と赤の顔: オスは成熟と順位で色が強くなる
  • 鮮やかな臀部: 仲間への視覚的なサイン
  • 色は社会的メッセージ: 健康状態・強さ・繁殖能力を示す

サバンナや森林の中で、色彩は「見せるコミュニケーション」として働く。

🌙 詩的一行

広い草原をわたる影の先に、古い大地のリズムが静かに息づいている。

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