🐟鮭7:シロザケ ― 北の川に還る魚 ―

サケシリーズ

― 北の川へ戻る代表的なサケ ―

🐟 基本情報

  • 和名:シロザケ(白鮭)
  • 学名:Oncorhynchus keta
  • 分類:サケ科サケ属
  • 体長:約60〜80cm(最大1m)
  • 分布:北太平洋沿岸、日本海、オホーツク海など
  • 生態:川で生まれ、海で成長し、秋に川へ戻って産卵する回遊魚
  • 遡上期:主に秋〜冬

シロザケは川と海を往復する生活史をもち、秋になると沿岸から生まれた川へ戻る。
遡上のタイミングは水温や日照時間、海流など複数の環境変化に影響される。
ここでは遡上期のシロザケの生態と特徴を整理する。

📘目次


🍂 秋の川

秋になるとシロザケは沿岸へ戻り、河口付近で淡水への再適応を進める。
水温が下がる時期は遡上が活発になり、浅瀬でも銀白色の個体が見られる。
遡上直後は海での体色を残し、流速のある区域では体を傾けて姿勢を保ちながら進む。

🐟 体の特徴と変化

川へ戻る時期のシロザケは摂餌をやめ、体は産卵に向けて変化する。
雄は頭部が盛り上がり歯が強く発達し、婚姻色が現れる。
雌は腹部がふくらみ、河床の砂利を掘る行動に備えた形になる。
淡水への適応に合わせて塩分濃度の調整も再び変化する。

🧭 遡上の行動

シロザケは流れの強い場所でも逆流に対して体を安定させ、上流へ進む。
産卵場として選ばれるのは浅く砂利がある区域が多い。
雌は尾で砂利を掘り、雄は受精の機会を狙って周囲に位置する。
産卵後は体力を使い果たし、多くは川で寿命を終える。

🌾 人との関わり

シロザケは古くから日本の食文化と結びつき、塩蔵・干物・郷土料理など多様な加工に利用されてきた。
遡上時期は地域の季節行事や漁の文化に影響し、北日本では冬の訪れを知らせる存在でもある。
近年は海水温の変動や河川環境の変化により、遡上数の変動が報告されている。


🌙 詩的一行

冷えた川の流れの中で、シロザケは静かに季節をつないでいた。


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