サギは、同じ水辺に立ち続ける鳥のように見える。
毎日、同じ川、同じ田んぼに現れる。
だがその一方で、
季節が変わると、静かに姿を消す個体もいる。
サギは、必ずしも旅をしない鳥ではない。
また、必ず渡る鳥でもない。
この回では、サギの移動のしかた――
留鳥として暮らす個体と、渡りを行う個体の違いを見ていく。
🪶 目次
🧭 1. サギは渡り鳥なのか
「サギは渡り鳥か」と聞かれると、
答えは一つではない。
サギ類には、
渡りを行う種と、ほぼ留鳥として暮らす種がいる。
同じ種であっても、
地域や個体によって移動距離は異なる。
サギの移動は、
種の性質というより、
環境条件への反応として現れることが多い。
🏞️ 2. 留鳥としてのサギ ― 場所に根づく生き方
アオサギや一部のコサギなどは、
一年を通して同じ地域に留まることが多い。
水が凍らず、
獲物が確保できる場所では、
大きな移動は必要ない。
こうした個体は、
特定の川や池、干潟を繰り返し利用する。
立つ場所を変えながらも、
行動範囲は比較的狭い。
サギの留鳥性は、
水辺が安定しているかどうかに強く左右される。
🕊️ 3. 渡りを行うサギ ― 季節に合わせた移動
チュウサギやダイサギなどは、
季節によって分布を大きく変える。
繁殖期には北へ、
非繁殖期には南へ。
ただし、ツバメのような長距離・一斉移動ではない。
複数の水辺を段階的に利用しながら、
ゆっくりと分布をずらしていく。
渡りは、
寒さそのものより、
水辺の状態と餌の有無によって引き起こされる。
📏 4. 日常的な移動 ― 短距離の積み重ね
サギの移動で最も多いのは、
数百メートルから数キロ程度の移動だ。
朝と夕方で立つ場所を変え、
水位や人の動きに応じて場所を選び直す。
この短距離移動の積み重ねが、
結果として分布の変化につながる。
サギにとって移動とは、
旅ではなく、
環境に合わせた微調整の連続だ。
🌾 詩的一行
サギは、必要な分だけ動き、必要な分だけ留まる。
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