🐓ニワトリ14:アローカナ ― 青い卵を産む鳥 ―

ニワトリシリーズ

― 澄んだ青を帯びた卵を、静かに産む鳥がいる。アローカナ。南米の風を感じさせるような羽色と、独特の顔つき。大地と空のあいだを生きてきたような、どこか凛とした気配をまとっている ―

  • 分類:キジ目キジ科
  • 品種名:アローカナ(Araucana)
  • 原産地:南米チリ(先住民マプチェの鶏が起源)
  • 用途:卵用・観賞用(青い卵が特徴)
  • 体重:雄 約2.5kg/雌 約2.0kg
  • 特徴:青緑色の卵、ヒゲ・スイカンをもつ顔つき、丈夫で放し飼いに向く

アローカナは「青い卵(ブルーエッグ)」で知られる世界的な品種だ。青緑色の卵殻は遺伝形質によって生まれるもので、見た目の美しさと希少性から人気が高い。また、顔の両側に生えるヒゲ状の羽やスイカン(耳周りのふくらみ)が独特の表情をつくり出す。

🐓目次

🔵 1. 青い卵のしくみ ― 殻に色が生まれる理由

アローカナの卵殻が青くなるのは「オーシアニン」という色素によるものだ。これは卵殻の形成段階で殻全体に染み込み、外側だけでなく内側まで青みが続く。

  • 青緑色の卵殻になる遺伝形質(オーシアニン)
  • 殻の内側まで色がつくのが特徴
  • 卵の味は他品種とほぼ同じだが、見た目の美しさが高評価

まるで空の色を閉じ込めたような、透明感のある青が魅力だ。

🪶 2. 顔つきと体型 ― ヒゲとスイカンが生む個性

アローカナの顔には、両側にヒゲのような羽が生え、耳周りにふくらんだスイカンがつく。この独特の表情は、南米原産の鶏らしい野性味と愛嬌を併せもつ。

  • 頬の両側に生えるヒゲ状の羽
  • 耳の周りのスイカン(ふくらみ)が特徴的
  • 体つきはやや筋肉質で、丈夫なタイプ

一目見ただけで“アローカナだ”とわかる個性がある。

🌿 3. 気質と行動 ― 丈夫で放し飼いに向く鳥

アローカナは環境への順応性が高く、放し飼いの鶏としても評価が高い。よく動き、採餌能力が強く、野生的な面を残している。

  • 丈夫で飼育しやすい
  • 採餌能力が高く、よく地面をつつく
  • 気質は活発で、やや独立心が強い

自然の中を軽やかに歩く姿に、南米の風土を感じることができる。

📜 4. 南米に根づく歴史 ― マプチェの鶏から世界へ

アローカナの起源は、南米チリの先住民族マプチェが飼っていた鶏にさかのぼる。青い卵は古くから特別視され、20世紀以降に世界へ広まり、品種として確立された。

  • マプチェ族が飼育していた“青卵の鶏”が起源
  • 20世紀にヨーロッパへ広まり品種化
  • 観賞・卵用の両面で世界的な人気を獲得

青い卵という個性が、遠い土地の鶏を世界の舞台へ導いた。

🌙 詩的一行

青い卵に映る光が、南の大地の時間をそっと思い出させる。

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