🍁 モミジ15:イタヤカエデ ― 木材としての価値 ―

モミジシリーズ

モミジの仲間は、景色として語られることが多い。
だが、その中に、木として使われてきた存在がある。

葉の美しさよりも、
幹の質、硬さ、加工のしやすさ。
人はそこに価値を見出してきた。

それが、イタヤカエデだ。
紅葉の主役ではないが、
暮らしの中で確かな役割を担ってきた。

この章では、
木材として評価されてきたイタヤカエデの性質を見ていく。

【基礎情報】

  • 分類:ムクロジ科・カエデ属
  • 和名:イタヤカエデ
  • 学名:Acer mono
  • 分布:日本(北海道〜九州)、東アジア
  • 生育環境:山地林、冷涼な地域
  • 樹高:15〜20m程度
  • 葉:浅い裂片、比較的厚みがある
  • 花:春、黄緑色の小花
  • 実:翼果、秋に成熟
  • 紅葉:黄〜橙が中心
  • 見分けポイント:裂片の浅い葉、大型の樹形

🍁 目次

🌳 1. イタヤカエデの位置づけ ― モミジの中の実用樹

イタヤカエデは、
園芸や観賞よりも、
資源としての利用が先行してきたモミジだ。

樹高が高く、幹がまっすぐ伸びる。
この性質が、材としての価値を高めてきた。

モミジ類の中では、
人の手に直接触れる距離が近い存在と言える。

🪵 2. 木材の特徴 ― 硬さと加工性

イタヤカエデの木材は、
緻密で適度な硬さを持つ。

  • 性質:割れにくく、狂いが少ない
  • 加工:削り・仕上げがしやすい
  • 用途:家具、器具、建具など

派手な木目ではないが、
均質で扱いやすい点が評価されてきた。

🏔 3. 生育環境 ― 冷涼地に育つ木

イタヤカエデは、
比較的冷涼な地域でよく育つ。

北海道から本州北部にかけて、
山地林の構成種として見られる。

成長は緩やかだが、
長い時間をかけて太い幹をつくる

🍂 4. 景観としての控えめさ

イタヤカエデの紅葉は、
黄色や淡い橙が中心だ。

イロハモミジのような鮮やかさはない。
そのため、景観の主役になることは少ない。

だが、
背景としての安定感は高い。

🍁 詩的一行

イタヤカエデは、使われることで、森と人をつないできた。

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