日本の主要マグロ産地・ブランド一覧【有名ブランド+無名の実力産地まで完全版】
日本のマグロ産地は「大間」だけではありません。 テレビに出るブランドの裏で、岩手・千葉・沖縄・五島など、全国には“名前は無名でも実力は確かな産地”が数多く存在します。
この記事では、主要ブランド産地と、プロだけが知る強い漁場の両方を一つにまとめ、近海クロマグロ・キハダ・メバチ・ビンチョウがどこで揚がるかを体系的に整理します。
1. 北日本エリア(北海道〜三陸)
戸井・松前(北海道)
寒流と暖流が交わる海域で、近海クロマグロの質が非常に高い。戸井マグロとしてブランド性も強い。
大間・佐井(青森)
大間ブランドの知名度は全国級。隣接する佐井村も質が高く、プロからは同等レベルとして扱われる。
三厩(青森)
実は大間と同じ海で獲れる“隠れた名産地”。ブランド化していないだけで品質は非常に高い。
塩釜・気仙沼(宮城)
三陸沿岸の名産地。塩釜は全国屈指のクロマグロ水揚げとして業界評価が高い。気仙沼は延縄漁の中心。
宮古・釜石・大船渡(岩手)
無名に近いが実力は全国トップ級。 三陸沖の質の高い近海クロマグロが揚がる。安定度は高くないが、入った時の魚の良さは随一。
2. 関東・静岡エリア
銚子(千葉)
黒潮の入口で、キハダ・ビンチョウ・冬のメバチが強い。全国的には無名だが業界評価は高い大産地。
勝浦(千葉)
質の良い冬マグロが揚がる。ブランド化されていないが、プロ向けには強い。
焼津(静岡)
“日本のマグロのハブ”。世界中のマグロが集まる国内最大級の流通基地で、加工技術もトップ。
伊東・下田(静岡)
近海のキハダが良い。知名度は低いが質は安定している。
3. 東海〜近畿エリア
伊勢湾〜尾鷲(三重)
ビンチョウ(ビンナガ)を中心に強い産地。外食チェーンを支える重要地域。
那智勝浦(和歌山)
延縄漁の本拠地。“生マグロの聖地”として全国出荷が多い。
紀北町(三重)
無名に近いが、ビンチョウや近海メバチで良物が出る。
4. 中国・四国エリア
境港(鳥取)
ミナミマグロの国内拠点。 大型冷凍船が入る港で、遠洋漁業の中心地の一つ。
島根沿岸
山陰沖はメバチの質が良く、量は少ないが“実力派”。
土佐沖(高知)
黒潮の恩恵を受ける海域。量は少ないが時々驚くほど良い近海クロマグロが出る。
5. 九州・沖縄エリア
長崎・五島列島
全国有数の総合マグロ産地。 五島沖のキハダ・メバチ・近海クロマグロは質が安定している。
宮崎・鹿児島(串木野)
外食向けのビンチョウ・メバチが多く揚がる。九州全体のマグロ供給基地。
沖縄(那覇・糸満)
数量は少ないが、“化け物級の近海クロマグロが時々入る”ことで知られる。プロ向けの実力産地。
6. 日本の主要ブランド一覧
- 大間マグロ(青森)
- 塩釜マグロ(宮城)
- 戸井マグロ(北海道)
- 那智勝浦の生マグロ(和歌山)
- 境港ミナミマグロ(鳥取)
- 五島マグロ(長崎)
- 沖縄近海クロマグロ(沖縄)
- 銚子キハダ(千葉・半ブランド化)
- 岩手三陸近海クロマグロ(非公式ブランド)
7. “無名だけど強い産地” の共通点
ブランドになっていないだけで、次の特徴を持つ漁場は総じて強い。
- 黒潮・親潮など潮の境界に近い
- 回遊ルートが直撃する
- 地元の処理技術が高い
- 量より質に振れる漁場
- 良物が出ても地元消費で外に出ない
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