― 小さな羽音が冬を運ぶ ―
冬の池に群れをなして飛来する、小さなカモたち。
その中でも最も小柄で愛らしいのがコガモだ。
マガモと同じマガモ属に属し、日本では冬鳥として各地で見られる。
ここでは、コガモの特徴、見分け方、生態、そして観察のコツを紹介する。
🌾目次
- 🌱 基礎情報 ― コガモという鳥
- 🌿 特徴と識別ポイント ― 小さくても美しい模様
- 🔥 生態と行動 ― 群れで暮らす冬の旅人
- 💧 渡りと分布 ― シベリアから日本へ
- 🌊 観察のコツと似た種の見分け方
- 🌙 詩的一行
🌱 基礎情報 ― コガモという鳥
分類： カモ科マガモ属（Anas crecca）
全長： 約37cm 翼開長： 約60cm
分布： 北半球の温帯・亜寒帯。日本では冬鳥として全国に飛来。
特徴： カモ類の中で最小。オスは茶色の頭と緑の帯が特徴。
食性： 水草・種子・甲殻類などを水面で採餌。
繁殖： 北方で夏に繁殖、日本では繁殖しない。
鳴き声： 「ピリリ」「クィッ」という短い高音。
識別ポイント： 小柄な体、緑の翼鏡、オスの茶頭と緑帯。
コガモはマガモ属の中でも最小の種で、群れで行動する冬鳥。
日本では秋に渡来し、春になると北方へ帰る。
その軽やかな姿と、群れで舞う飛翔は冬の水辺の風物詩といえる。
🌿 特徴と識別ポイント ― 小さくても美しい模様
オスのコガモは、栗色の頭部に緑の帯が入り、灰色の体を持つ。
目を通る緑のラインが光の角度で輝き、顔の印象を引き締めている。
メスは全身が褐色で地味だが、体型が小さいため他のカモよりもコンパクトに見える。
翼鏡（よくきょう）は緑色で、飛翔時に鮮やかに光る。
体が小さく、波の上に軽く浮かぶ姿が特徴。
✅ 見分けのポイント：
・体長が約37cmとカモ類で最小。
・オスは顔の緑帯、メスは丸みのある体型。
・ヒドリガモより小柄で、くちばしも短い。
・翼鏡の緑色が明るく、遠目でもわかる。
🔥 生態と行動 ― 群れで暮らす冬の旅人
コガモは潜水せず、水面をすくうようにして餌を取る「水面採餌ガモ」。
小さな体を生かして、浅い水辺で活発に採餌する。
日中は群れで休み、朝夕に採餌活動を行う。
オスは冬の間に求愛行動を見せ、春には北方へ渡る。
鳴き声は軽やかで高く、群れでの連携に使われる。
💧 渡りと分布 ― シベリアから日本へ
コガモはユーラシア大陸の北部で繁殖し、冬には南へ移動する渡り鳥。
日本では9月〜翌3月ごろまで見られる。
九州や本州西部では越冬地として定着する群れもある。
河川・ため池・湿地・田んぼなど幅広い場所で観察可能。
小型であるため、波立つ水面でも軽やかに浮かぶ姿が印象的。
🌊 観察のコツと似た種の見分け方
コガモは群れでいることが多く、ヒドリガモやマガモと混ざっている場合も。
双眼鏡で確認する際は「小ささ」と「緑の翼鏡」に注目。
ヒドリガモよりくちばしが短く、動きが素早い。
越冬地では公園の池や河口付近でも見られるため、初心者にも観察しやすい。
観察地の例：片野鴨池（石川）、渡良瀬遊水地（栃木）、多摩川下流域（東京）。
🌙 詩的一行
小さな羽音が渡りの風に乗り、冬の空に線を描く。
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