🌰栗7:ドングリとの違い

クリシリーズ

― ブナ科の仲間たち ―

栗もドングリも、どちらもブナ科の実。
似ているようでいて、成り立ちも、森の役割も異なる。
同じ一族のなかで分かれた命の道筋をたどると、
森というひとつの生命体系の広がりが見えてくる。


🌾目次


🌱 共通点 ― ブナ科という家族

栗とドングリはいずれもブナ科に属し、硬い殻を持つ果実をつける。
花粉は風に乗って運ばれ、花は地味で目立たない。
どちらも森の中で動物たちの重要な食糧源となり、
木々の再生を助ける役割を担っている。


🌿 相違点 ― 果実と生態の違い

栗はトゲのある殻斗(イガ)に複数の実を包み、ドングリは帽子状の殻斗に単独の実をつける。
栗は甘みが強く、ドングリはタンニンを多く含み渋みがある。
この違いが、森の動物たちの食行動や生態系の構造を変えている。
栗は秋の短期間に集中して実り、ドングリは長く森に残る。
その“時間の違い”が、命の循環を豊かにしている。


🔥 森の中の役割 ― 命をつなぐ多様性

同じブナ科でも、木々はそれぞれ違う環境に適応している。
栗は日当たりのよい山地を好み、ドングリは多様な森に広がる。
その違いが、森に層と陰影を生み、数多の生き物を支えてきた。
異なる形の命が共にあること、それが森の強さの源だ。


🌙 詩的一行

違いがあるから、森はひとつになれる。


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