🌳コナラ24:シラカシ ― 都を包む木 ―

コナラシリーズ

― 静かな常緑の影 ―


分類: ブナ科コナラ属(Quercus
学名: Quercus myrsinifolia
分布: 本州〜九州・沖縄
樹高: 10〜20m
葉の特徴: 細長く、表面は濃い光沢をもつ常緑葉
果実: 翌秋に熟す小型のドングリ
樹皮: 灰黒色で滑らか
生育環境: 温暖な平地林・社叢林・庭園
利用: 庭木・街路樹・防風林
備考: 都市にも順応しやすく、常緑ナラの代表種


🌿 外見

シラカシは、細長く艶やかな葉をもつ常緑の樹。
日差しを受けると葉が光をはね返し、
群れるとまるで静かな波のように見える。
樹皮は灰黒色で滑らか、
若木のうちは特に光沢が強く、都市の中でも清楚な印象を保つ。

風のない日に近づくと、葉がほんのわずかに触れ合う音がする。
その音が静寂の中に響くとき、
シラカシの林はまるで息をしているようだ。


🌳 生態

温暖な地域の常緑樹林に生え、
湿り気のある土壌を好む。
葉を落とさないため、
冬でも光合成を続け、安定した生態環境を維持する。
ドングリは小型で、鳥たちの食料として重要。
都市の緑地にもよく植えられ、
コナラ属の中でも人の生活圏との共存が最も進んだ木。


🪵 人との関わり

古くから屋敷林や寺社の境内、
街路樹として人のそばに植えられてきた。
剪定に強く、形を整えやすいため、
「手入れのきく森」を象徴する樹でもある。
東京や京都の古い町並みにも、
この木の影が静かに残っている。


🌙 詩的一行

人の声の届くところにも、森は息づいている。


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