🌳コナラ23:アラカシ ― 常緑の境界 ―

コナラシリーズ

― 冬を越える緑 ―


分類: ブナ科コナラ属(Quercus
学名: Quercus glauca
分布: 本州南部〜九州・沖縄
樹高: 10〜20m
葉の特徴: 常緑・光沢のある濃緑、裏面は淡色
果実: 翌年秋に熟すドングリ
樹皮: 黒褐色で浅い裂け目
生育環境: 暖温帯の常緑広葉樹林・社叢林
利用: 庭木・防風林・神社林
備考: 常緑ナラ類の代表、森の境界を形成する


🌿 外見

アラカシは、一年を通して葉を落とさない常緑のナラ。
葉は厚く光沢があり、表面は濃緑、裏は淡い緑色をしている。
枝葉が密に茂り、日差しを受けると深い陰影をつくる。
幹はまっすぐで、樹皮は黒褐色。
その硬さと落ち着いた色が、冬の森の中でも静かな存在感を放つ。


🌳 生態

アラカシは、温暖で湿り気のある地域を好む。
根は浅く広がり、風や雨に耐えながら森の斜面を守る。
ドングリは翌年に熟し、鳥や小動物によって運ばれる。
落葉しないことで、冬も光合成を続け、
周囲の植物よりも早く春の準備を始める。
常緑の葉は森の境界を示し、
季節の移り変わりの中で“つなぎ目”の役割を担っている。


🪵 人との関わり

昔から神社の杜や屋敷林、防風林に植えられてきた。
風に強く、剪定にも耐え、形が整いやすい。
そのため、街の並木や庭木としても親しまれている。
アラカシの林が残る場所は、
人の暮らしと森の記憶が重なる場所でもある。


🌙 詩的一行

冬の森で、緑を絶やさぬ者がいる。


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