― 北の森を支える木 ―
分類: ブナ科コナラ属(Quercus)
学名: Quercus crispula
分布: 北海道・本州中部以北の冷涼地
樹高: 20〜30m
葉の特徴: 大きくて丸みのある鋸歯、裏面に毛がある
果実: 大型のドングリ(翌秋成熟)
樹皮: 灰褐色で粗く裂ける
生育環境: 湿潤な冷温帯林・ブナ帯
利用: 家具材・ウイスキー樽・薪炭
備考: 水を多く含む材質で、寒冷地に強い
冷たい風が吹く山の上、
霧の中に立つ木の群れがある。
その枝は広く、葉は厚く、
雪を受け止めながら静かに耐えている。
🌿 外見
ミズナラは、ブナ帯の森を代表する落葉樹。
コナラよりも葉が大きく、艶のない深緑をしている。
幹は太く、樹皮は灰褐色で粗く裂け、
老木になると厚みのある模様が浮き上がる。
その姿はどっしりとしていて、
山の寒さに負けない強さを持つ。
🌲 生態
湿った冷涼な気候を好み、
北海道から本州中部の山地まで広く分布する。
名前の「ミズ」は、水を多く含む木質に由来する。
他のナラ類よりも成長が遅いが、
長く生きるための強い幹をつくる。
ドングリは大きく、厚い殻を持ち、
熊やリス、カケスなど多くの動物が食べる。
その実は冬の森を支える栄養でもある。
🔥 人との関わり
ミズナラの木は、
樹齢を重ねるほどに美しい木目を見せる。
家具や床材、ウイスキー樽の材料として重宝され、
特に「ジャパニーズオーク」として世界でも知られる。
燃やせば火持ちがよく、
かつては炭にも使われた。
山村の生活と深く結びつき、
いまも北の里山を静かに守っている。
🌙 詩的一行
寒さの中でこそ、木はゆっくりと力を蓄える。
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