― 光と影が交わるところ ―
森の外れに立つと、風の匂いが変わる。
木の影が薄れ、草の明るさが増していく。
森の境界は、命が重なり合う場所だ。
🌾 森と草原のあいだ
コナラの森は、草原や田畑、川辺と隣り合っている。
その境界では、木の根が浅くなり、
地表に光が届きやすくなる。
シダやススキ、ワラビ、ヤブランが入り混じり、
森の緑とは違う柔らかい明るさを生む。
そこには、森の虫と草原の虫が共に暮らす。
蝶やバッタ、トンボが行き交い、
森の外の空気を内へと運ぶ。
森は閉じた世界ではない。
境界こそが呼吸の窓だ。
🐦 森を行き来する者たち
鳥たちは境界を自由に越える。
カケスは森の中でドングリを集め、
草原を越えてそれを運ぶ。
スズメやホオジロは草の種をくわえ、
森の木陰で休む。
それぞれの種が、
森と外をつなぐ橋のような存在になっている。
だから、境界にはいつも音がある。
羽音と虫の声が混じり合う場所。
🌿 光の交わる線
森の境界では、光の動きがもっとも劇的だ。
朝は草原から光が差し込み、
昼は木々がそれを遮り、
夕方にはまた外へと返していく。
光が揺れるたびに、
森と外の境界は少しずつ形を変える。
その変化が、森の輪郭を保ち続ける力になっている。
🌙 詩的一行
森の終わりは、次の命のはじまり。
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