カワセミがいる川は、
特別な川ではない。
澄みきっている必要も、
原生的である必要もない。
ただ、
水が見え、魚がいて、
立ち止まれる場所が残っている。
この章では、
カワセミを「水辺の指標種」として捉え、
その存在が何を映しているのかを整理する。
🟦 目次
🌊 1. 指標種としてのカワセミ
指標種とは、
その生物の存在によって、
環境の状態を読み取れる存在を指す。
カワセミは、
水質、餌、生息構造という、
複数の条件に依存して生きている。
そのため、
一時的に現れることはあっても、
定着するかどうかは、
水辺全体の状態を反映する。
カワセミは、
良い川の象徴ではなく、
成立している川の結果として現れる。
🪵 2. 何があれば、カワセミはいるのか
カワセミが利用する環境は、
決して複雑ではない。
- 見える水:水中の魚を視認できる
- 餌:小魚が安定して存在する
- 構造:止まり木や縁が残っている
これらは、
特別な保護区でなくても、
部分的には成立しうる条件だ。
重要なのは、
一つも欠けていないことだ。
どれかが失われると、
カワセミは姿を消す。
🚫 3. いなくなる川の条件
カワセミがいなくなる理由は、
単純だ。
水が濁る。
魚が減る。
止まる場所がなくなる。
これらが重なると、
一時的な訪問すら起きなくなる。
- 濁水:狩りが成立しない
- 護岸:構造が単純化する
- 攪乱:人為的変化が頻発する
カワセミは、
悪い環境を我慢して生きる鳥ではない。
条件が崩れれば、
ただ、いなくなる。
🔁 4. 守るのではなく、戻れる状態
カワセミを守る、
という考え方は、
しばしば的を外す。
必要なのは、
特定の鳥を囲うことではなく、
戻ってこられる状態を残すことだ。
水辺に、
少しの凹凸と、
少しの余白を残す。
それだけで、
カワセミは再び現れる可能性を持つ。
カワセミは、
保護される存在というより、
環境が整ったときに現れる指標だ。
🌊 詩的一行
カワセミがいる川は、まだ戻れる余地を残している。
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