川がある前提は、世界では当たり前ではない。雨が降る季節と、ほとんど降らない季節。水は一年中そこにあるのではなく、現れては消える。淡水カニの中には、そうした土地で生きる仲間がいる。
乾季と雨季がはっきり分かれる地域では、「流れに合わせる」だけでは足りない。水が消える時間をどうやり過ごすか。その選択が、生き残りを左右する。
🦀 目次
- ☀️ 1. 水が消える季節 ― 乾季という前提 ―
- 🕳️ 2. 潜るという選択 ― 地中で待つ ―
- 🌧️ 3. 雨が戻るとき ― 一斉に動き出す ―
- ⚠️ 4. 変わる周期 ― 予測できなくなる季節 ―
- 🌙 詩的一行
☀️ 1. 水が消える季節 ― 乾季という前提 ―
アフリカや一部の島嶼域では、河川が完全に干上がる季節がある。水たまりは縮み、流れは途切れ、川床が露出する。
そこに生きる淡水カニは、常に水がある世界を前提にしていない。乾くこと自体が、環境の一部として組み込まれている。
🕳️ 2. 潜るという選択 ― 地中で待つ ―
水が減り始めると、淡水カニは地面に穴を掘る。湿り気の残る深さまで潜り、外の環境と距離を取る。
この時間、動きは極端に減る。食べない。歩かない。体力の消耗を抑え、条件が戻るのを待つ。生き延びるための停止だ。
🌧️ 3. 雨が戻るとき ― 一斉に動き出す ―
最初の雨が地面を打つと、環境は一気に変わる。乾いていた川床に水が戻り、流れが生まれる。
淡水カニは、その変化を逃さない。穴から出て、短期間に移動と採食を行う。活動の時間は限られているため、動きは集中する。
⚠️ 4. 変わる周期 ― 予測できなくなる季節 ―
近年、雨季と乾季の境目は不安定になりつつある。降るはずの時期に降らず、突然の豪雨が起きる。
周期が読めなくなると、待つ戦略は崩れる。穴を出るタイミングを誤れば、乾燥や流失にさらされる。適応してきた前提そのものが揺らぐ。
🌙 詩的一行
止まる時間が、次の流れを待っている。
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