カブトムシは、
戦いの象徴として語られることが多い。
だが森の中での役割は、
それとはまったく別のところにある。
彼らは、
何かを生み出す存在ではない。
残されたものを次へ渡す側だ。
その働きは目立たないが、
森の循環の中では、確かな位置を占めている。
🪲 目次
🍂 1. 分解者としての位置づけ
森の中には、
生産者・消費者・分解者という役割分担がある。
植物がつくり、
動物が食べ、
分解者が戻す。
カブトムシは、
成虫では消費者、
幼虫期には分解者の側に立つ。
この二重の役割が、
一生の中で切り替わる点に特徴がある。
🌳 2. 幼虫が担う分解の主役
分解者としての役割を最も強く担うのは、幼虫だ。
幼虫は、
落ち葉や朽木が分解された腐植質を食べる。
それは、
栄養を直接得るというより、
細かく砕き、土へ戻す作業に近い。
幼虫が通過した土は、
通気性が増し、
微生物の活動も活発になる。
🦠 3. 微生物との関係
カブトムシは、
単独で分解を進めているわけではない。
菌類や細菌といった微生物が、
先に有機物を分解し、
それを幼虫が利用する。
そして、
幼虫の排出物が、
再び微生物の栄養になる。
この循環は、
目に見えない共同作業によって支えられている。
🔁 4. 森の循環に組み込まれる存在
成虫は短命で、
多くが捕食され、
あるいは朽ちていく。
その体もまた、
分解の対象となる。
カブトムシは、
森に影響を与えるというより、
森に回収される存在だ。
強さも、角も、
最終的には循環の中に溶けていく。
🌙 詩的一行
カブトムシは、森に残された時間を、土へ返している。
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