― 種を渡す手のなかで ―
畑に残された最後の実が、
冬の陽に照らされている。
乾いた蔓の先で、
南瓜はゆっくりと色を濃くしていく。
その中には、次の季節へと続く種が眠っている。
🌱 種という未来
収穫した実の中から、
一番形のよいものを選び、
翌年のために種を取る。
それはただの農作業ではなく、
“未来の手紙”のような行為だ。
この小さな種の中に、
次の季節の光と風が眠っている。
☀️ 太陽の継承
南瓜は、光を食べて実を結ぶ。
人は、その実を食べて冬を越す。
やがてその種が再び芽を出し、
また光を受け取る。
この循環の中で、
太陽はずっと生き続けている。
植物の時間と人の時間が、
ひとつの食卓で重なる。
🕊️ 人と時間の記憶
古い民家の軒下に、
乾いた南瓜が吊るされている。
それはもう食べるためではなく、
“かつての実り”を見守るためのもの。
人は、育て、食べ、残し、
そして忘れない。
甘みも、香りも、種の形も、
みんな未来への手渡しだ。
🌙 詩的一行
ひとつの実が終わるとき、太陽は次の手に渡される。
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