🎃かぼちゃ1:かぼちゃという存在

カボチャシリーズ

― 土の中の太陽 ―

畑の端に、丸い影がいくつも並んでいる。
葉は厚く、ざらつきがあり、触れると指に粉が残る。
風が通るたびに大きく揺れ、その下で実が土に半分埋まっている。
夏の終わり、葉が乾き始めるころ、かぼちゃは色を深めていく。


🌾目次


🌱 姿 ― 地を這う植物

かぼちゃはウリ科の一年草。
長いつるを伸ばし、節ごとに根を下ろしながら畑を這う。
葉は大きく、掌ほどの広さがあり、
表面には細かなうぶ毛がびっしりと生えている。
花が咲く頃には蔓が地面を覆い、
ひと株が畑の一角を支配するほどに広がる。

🌿 生態 ― 実るまでの時間

夏の朝、黄色い花が開く。
雄花が先に咲き、雌花はあとに続く。
受粉は昆虫によって行われ、
花が閉じる頃には子房がわずかに膨らみ始める。
数週間のうちに、実は厚みを増し、果皮が固くなっていく。
でんぷんを蓄え、秋の終わりに甘みが生まれる。

🔥 関わり ― 南の国から来た果実

かぼちゃの原産地は中南米。
16世紀に世界へ広がり、日本にはポルトガル船によって伝わった。
「南瓜(なんきん)」の名は、
カンボジア(カンボジア=カンボジャ)が転じたとされる。
寒冷地にも強く、保存性が高いため、
やがて冬の食卓に欠かせない野菜となった。

🌙 詩的一行

かぼちゃは、夏の光を土の中にしまいこむ。


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