カビは、ひとつの種類ではない。
見た目が似ていても、系統は大きく分かれている。
「白い」「黒い」「青い」という印象の奥には、
進化の分かれ道が存在する。
それを整理するために、菌類は系統ごとに分類されてきた。
カビと呼ばれる菌類の多くは、
接合菌・子嚢菌・担子菌という三つの系統に位置づけられる。
この分類は、見た目ではなく、
増え方と構造を手がかりにしている。
🦠 目次
🧬 1. 菌類の系統分類 ― 何を基準に分けるのか
菌類の分類は、色や大きさでは行われない。
主な基準は、有性生殖のしかたと、胞子をつくる構造だ。
- 注目点:どこで、どう胞子ができるか
- 構造:胞子形成器官の違い
- 系統:進化の分岐点
カビは、無性生殖で増えることが多いが、
分類上は、有性世代の特徴が重視されている。
見えない段階にこそ、系統の違いが現れている。
⚪ 2. 接合菌 ― 原始的な増え方を残す系統
接合菌は、比較的初期に分岐した菌類の系統だ。
食品に生える白いカビの中には、この仲間が含まれる。
- 特徴:太めの菌糸、隔壁が少ない
- 有性生殖:菌糸同士が接合
- 例:ムコール属 など
接合菌は、構造が単純に見える。
だがそれは、効率が悪いという意味ではない。
短時間で広がり、条件が悪ければ休眠する。
環境変化への強さを備えた系統だ。
🫧 3. 子嚢菌 ― 身近なカビの中心
子嚢菌は、カビの中で最も身近な系統だ。
室内、食品、土壌などで見られる多くのカビが含まれる。
- 特徴:隔壁のある菌糸
- 胞子:子嚢の中で形成
- 例:アスペルギルス属、ペニシリウム属
子嚢菌は、無性生殖が非常に発達している。
そのため、日常生活で目にする機会が多い。
「カビ」と聞いて多くの人が思い浮かべる姿は、
この系統の特徴によるものが大きい。
🍄 4. 担子菌 ― キノコとつながる系統
担子菌は、キノコを多く含む系統だ。
だが、すべてが目立つキノコになるわけではない。
- 特徴:担子器で胞子を形成
- 代表:多くのキノコ類
- 例外:カビ状で生活する種も存在
担子菌の中にも、
生活の大半を菌糸のまま過ごすものがいる。
カビとキノコは、
系統的に連続した存在だということが、ここで見えてくる。
🫧 詩的一行
カビの姿の違いは、増え方が選んだ道の違いでもある。
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