🦠 カビ6:菌類の系統 ― 接合菌・子嚢菌・担子菌 ―

カビシリーズ

カビは、ひとつの種類ではない。
見た目が似ていても、系統は大きく分かれている。

「白い」「黒い」「青い」という印象の奥には、
進化の分かれ道が存在する。
それを整理するために、菌類は系統ごとに分類されてきた。

カビと呼ばれる菌類の多くは、
接合菌・子嚢菌・担子菌という三つの系統に位置づけられる。

この分類は、見た目ではなく、
増え方と構造を手がかりにしている。

🦠 目次

🧬 1. 菌類の系統分類 ― 何を基準に分けるのか

菌類の分類は、色や大きさでは行われない。
主な基準は、有性生殖のしかたと、胞子をつくる構造だ。

  • 注目点:どこで、どう胞子ができるか
  • 構造:胞子形成器官の違い
  • 系統:進化の分岐点

カビは、無性生殖で増えることが多いが、
分類上は、有性世代の特徴が重視されている。

見えない段階にこそ、系統の違いが現れている。

⚪ 2. 接合菌 ― 原始的な増え方を残す系統

接合菌は、比較的初期に分岐した菌類の系統だ。
食品に生える白いカビの中には、この仲間が含まれる。

  • 特徴:太めの菌糸、隔壁が少ない
  • 有性生殖:菌糸同士が接合
  • 例:ムコール属 など

接合菌は、構造が単純に見える。
だがそれは、効率が悪いという意味ではない。

短時間で広がり、条件が悪ければ休眠する。
環境変化への強さを備えた系統だ。

🫧 3. 子嚢菌 ― 身近なカビの中心

子嚢菌は、カビの中で最も身近な系統だ。
室内、食品、土壌などで見られる多くのカビが含まれる。

  • 特徴:隔壁のある菌糸
  • 胞子:子嚢の中で形成
  • 例:アスペルギルス属、ペニシリウム属

子嚢菌は、無性生殖が非常に発達している。
そのため、日常生活で目にする機会が多い。

「カビ」と聞いて多くの人が思い浮かべる姿は、
この系統の特徴によるものが大きい。

🍄 4. 担子菌 ― キノコとつながる系統

担子菌は、キノコを多く含む系統だ。
だが、すべてが目立つキノコになるわけではない。

  • 特徴:担子器で胞子を形成
  • 代表:多くのキノコ類
  • 例外:カビ状で生活する種も存在

担子菌の中にも、
生活の大半を菌糸のまま過ごすものがいる。

カビとキノコは、
系統的に連続した存在だということが、ここで見えてくる。

🫧 詩的一行

カビの姿の違いは、増え方が選んだ道の違いでもある。

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