🦠 カビ19:皮膚糸状菌 ― 人に寄り添うカビ ―

カビシリーズ
  • 分類:菌界/子嚢菌門/ユーロチオミケス綱 ほか/皮膚糸状菌群(属横断的な分類)
  • 和名:皮膚糸状菌
  • 学名:Trichophyton spp., Microsporum spp., Epidermophyton spp. など
  • タイプ:糸状菌(カビ)
  • 分布:世界中
  • 主な生息環境:人や動物の皮膚・毛・爪、生活環境表面
  • 栄養様式:角質成分を利用する腐生的寄生
  • 増殖:無性胞子(分生子)
  • 代表的な見え方:目に見えない(生活環境では白色〜淡色の菌糸)
  • 人との関わり:皮膚表面との長期的な共存関係
  • 備考:病原性の有無は種・条件・宿主側により異なる

皮膚糸状菌は、 人のすぐそばで生きるカビだ。

壁や食品の上ではなく、 皮膚・毛・爪といった、 生きた体の表面に関わる。

そのため、 不安や恐れと結びつけられやすい。 だが本質は、 人と距離を取りながら共存する菌類である。

皮膚糸状菌は、 敵としてよりも、 「境界に棲む存在」として理解されてきた。

🦠 目次

🧍 1. 皮膚という環境 ― 境界の場所

皮膚は、 外界と体内を分ける境界だ。

乾燥し、 常に剥がれ落ち、 外気にさらされる。

皮膚糸状菌は、 この安定しない場所に適応してきた。

  • 場所:皮膚表面・毛・爪
  • 条件:乾燥と更新の繰り返し
  • 特徴:内部には侵入しない

住処は、 体の外側に限られている。

🧵 2. 角質を利用する ― 栄養の取り方

皮膚糸状菌は、 角質に含まれる成分を利用する。

生きた細胞ではなく、 すでに役目を終えた部分だ。

  • 栄養源:角質・毛・爪
  • 方法:酵素による分解
  • 範囲:表層に限定

この性質が、 体内に入り込まない理由でもある。

🌍 3. 人との距離 ― 常在と増殖

皮膚糸状菌は、 環境中にも存在する。

人の体は、 その通過点であり、 定着場所にもなりうる。

多くの場合、 存在しても問題は起きない。

条件が重なったときにだけ、 増殖が目立つ。

🔍 4. 問題として認識される条件

皮膚糸状菌が 問題として認識されるのは、 環境と体の状態が偏ったときだ。

  • 要因:湿度・密閉・摩擦
  • 側面:菌側と宿主側の組み合わせ
  • 理解:一方的な性質ではない

皮膚糸状菌は、 常に害をもたらす存在ではない。

距離が崩れたときに、 問題として現れる。

🫧 詩的一行

皮膚糸状菌は、境界を越えずに、そこに留まっている。

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