- 分類:菌界/子嚢菌門/ユーロチオミケス綱/ユーロチオ目/トリココマ科/主にペニシリウム属
- 和名:アオカビ
- 学名:Penicillium spp. ほか
- タイプ:糸状菌(カビ)
- 分布:世界中
- 主な生息環境:食品、土壌、室内、熟成環境
- 栄養様式:主に腐生
- 増殖:無性胞子(分生子)
- 代表的な見え方:青緑色〜青灰色の粉状・斑点状
- 人との関わり:チーズ熟成、食品変敗
- 備考:利用と忌避の境界が文脈によって変わる
青カビは、
食品の上で、最も評価が分かれるカビだ。
同じ色、同じ質感。
ある場面では「価値」とされ、
別の場面では「廃棄の合図」になる。
チーズの表面に広がる青と、
冷蔵庫の奥で見つかる青。
違いは、管理と文脈にある。
青カビは、
境界線の上に立つカビだ。
🦠 目次
🧀 1. 熟成を進める青 ― チーズの中で
一部のチーズでは、
青カビが意図的に利用されている。
管理された温度と湿度のもとで、
青カビは内部に広がり、
風味や質感を変えていく。
- 環境:熟成庫
- 役割:たんぱく質・脂質の分解
- 結果:香りと味の形成
ここでは、
青カビは異物ではない。
工程の一部として扱われる。
🥖 2. 食品変敗としての青カビ
一方で、
意図せず食品に現れた青カビは、
変敗の兆候とみなされる。
管理されていない環境では、
どの種が、どの程度広がるかは分からない。
- 状況:家庭・流通過程
- 評価:廃棄対象
- 理由:予測不能性
同じ青でも、
扱いは大きく変わる。
🧪 3. 同じ属、違う役割
青カビと呼ばれるものの多くは、
ペニシリウム属に属する。
だが、
種や株によって性質は大きく異なる。
分解能力、代謝産物、
好む環境。
それらの違いが、
役割の差を生む。
「青カビ」という呼び名は、
見た目によるまとめにすぎない。
🔍 4. 境界を決めるもの
青カビが価値になるか、
忌避されるか。
それを決めるのは、
色や属ではない。
管理・目的・文脈。
この三つがそろったとき、
青は「意味」を持つ。
青カビは、
人の判断によって、
立場を変えるカビだ。
🫧 詩的一行
青カビは、価値と廃棄のあいだに立っている。
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