🦠 カビ13:ペニシリウム属 ― 薬を生んだ青 ―

カビシリーズ
  • 分類:菌界/子嚢菌門/ユーロチオミケス綱/ユーロチオ目/トリココマ科/ペニシリウム属
  • 和名:アオカビ属 など
  • 学名:Penicillium spp.
  • タイプ:糸状菌(カビ)
  • 分布:世界中
  • 主な生息環境:土壌、食品、室内、植物残渣
  • 栄養様式:主に腐生
  • 増殖:無性胞子(分生子)
  • 代表的な見え方:青緑色〜青灰色の粉状コロニー
  • 人との関わり:医薬、食品、研究、住環境
  • 備考:種数が多く、利用例と忌避例が混在する

ペニシリウム属は、
「青カビ」という言葉で知られている。

食品の表面に広がる青緑色。
それは、多くの人にとって、
捨てるべき兆候として記憶されてきた。

だがこの属は、
人の生活において、
まったく異なる顔も持っている。

薬を生み、文化に組み込まれ、
同時に忌避もされる。
ペニシリウムは、
評価が一方向に定まらないカビだ。

🦠 目次

🧵 1. 形の特徴 ― 筆のような分生子柄

ペニシリウム属は、
顕微鏡下で特徴的な姿を示す。

分生子柄の先端が枝分かれし、
筆のような形になる。
この形が、属名の由来でもある。

  • 分生子柄:刷毛状に分岐
  • 胞子形成:先端部に集中
  • 識別:形態が判断材料になる

この構造は、
効率よく胞子を空気中に放つためのものだ。

🌬️ 2. 青い粉 ― 拡散する胞子

食品に現れる青カビは、
表面に粉をふいたように見える。

この粉は、
大量の分生子だ。

  • 色:青緑色〜灰青色
  • 質感:乾いた粉状
  • 拡散:空気や振動

ペニシリウムは、
広がるために派手な仕組みを持たない。
だが、確実に届く形を選んできた。

💊 3. 人との関係 ― 薬と食品

ペニシリウム属が持つ、
もっともよく知られた側面は、
医薬との関係だ。

特定の種から、
抗生物質が見出され、
人の医療史に大きな影響を与えた。

  • 分野:医薬研究
  • 食品:チーズなどの熟成
  • 評価:用途によって異なる

同じ属でも、
すべてが利用されるわけではない。

ペニシリウムは、
文脈によって価値が変わる存在だ。

🔍 4. 一属の中の多様性

ペニシリウム属には、
非常に多くの種が含まれている。

色、代謝、好む環境。
それぞれが異なり、
一言で性質をまとめることはできない。

青カビという呼び名は、
視覚的な印象にすぎない。

実際のペニシリウムは、
細かく分かれた個性の集合体である。

🫧 詩的一行

ペニシリウムは、青い粉の中に、使われ方の違いを抱えている。

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