🦠 カビ12:アスペルギルス属 ― 空気中に漂う常在者 ―

カビシリーズ
  • 分類:菌界/子嚢菌門/ユーロチオミケス綱/ユーロチオ目/トリココマ科/アスペルギルス属
  • 和名:コウジカビ属 など
  • 学名:Aspergillus spp.
  • タイプ:糸状菌(カビ)
  • 分布:世界中
  • 主な生息環境:空気中、土壌、食品、室内環境
  • 栄養様式:主に腐生
  • 増殖:無性胞子(分生子)を大量に形成
  • 代表的な見え方:緑色・黄緑色・黒色などの粉状コロニー
  • 人との関わり:発酵、食品、研究、住環境
  • 備考:種数が非常に多く、性質は一様ではない

アスペルギルス属は、
私たちが最も頻繁に接しているカビのひとつだ。

空気中、土の中、建物の内部。
特別な場所ではなく、
人の生活圏そのものに存在している。

気づかれずに漂い、
条件が整ったところで、静かに姿を現す。
アスペルギルスは、
「珍しいカビ」ではなく、常在する存在として暮らしに寄り添っている。

🦠 目次

🌬️ 1. 空気中に生きる ― 分生子という拡散戦略

アスペルギルス属の最大の特徴は、
非常に多くの胞子を空気中に放つ点にある。

分生子と呼ばれる無性胞子は、
乾燥に強く、軽い。
そのため、風や人の動きによって、
容易に拡散する。

  • 胞子:分生子
  • 拡散:空気流動による
  • 結果:環境中に常在

アスペルギルスは、
「どこかから来る」のではない。
すでにそこにいる存在だ。

🧵 2. 構造の特徴 ― 立ち上がる分生子柄

アスペルギルス属は、
顕微鏡下で特徴的な姿を示す。

菌糸から垂直に伸びる分生子柄の先端に、
球状の構造が形成され、
そこから胞子が並ぶ。

  • 菌糸:隔壁をもつ
  • 分生子柄:直立する構造
  • 識別:形態で属が判別される

この形は、
効率よく胞子を散らすための設計だ。

🍚 3. 人との関係 ― 発酵と生活環境

アスペルギルス属は、
人の生活と長く関わってきた。

特定の種は、
発酵食品の製造に利用され、
一方で、住環境では意図せず目にすることもある。

  • 利用:発酵・産業
  • 環境:室内・食品
  • 評価:文脈によって異なる

同じ属であっても、
役割や影響は一様ではない。

🔍 4. 一つの性質では語れない属

アスペルギルス属には、
数百種以上が含まれている。

色、代謝、環境への適応。
それぞれが異なり、
「アスペルギルスだからこうだ」とは言えない。

この多様さこそが、
属としての特徴だ。

アスペルギルスは、
人の暮らしのすぐそばで、
静かに分岐を重ねてきた存在である。

🫧 詩的一行

アスペルギルスは、空気の中で、暮らしの境界を渡っている。

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