日本で「イタチ」と呼ばれてきた動物は、ひとつではない。
見た目がよく似ているため、長いあいだ区別されずに扱われてきた。
だが現在、日本列島には在来のイタチと、人為的な移動に関係したイタチが存在している。
それが、ニホンイタチとチョウセンイタチだ。
在来種と外来種という言葉は、善悪を決めるためのものではない。
それぞれが、どのような経緯で、どこに生きているのかを整理するための区分だ。
🦡 目次
🗾 1. ニホンイタチ ― 日本列島の在来種
ニホンイタチは、日本列島に古くから分布してきた在来のイタチだ。
本州・四国・九州を中心に、地域ごとの環境に適応して暮らしてきた。
里山、河川敷、森林の縁。
人の暮らしと重なり合う場所で、
ネズミや小動物を捕らえながら生きてきた。
長い時間をかけて、日本の気候や土地利用に順応してきたため、
生態系の一部として組み込まれている存在だといえる。
🌏 2. チョウセンイタチ ― 人の移動とともに
チョウセンイタチは、もともと朝鮮半島や中国東北部などに分布していた系統だ。
日本では、人為的な移動や放獣により、各地で定着したと考えられている。
体格がやや大きく、
適応力が高いことから、
一部地域では分布を広げてきた。
ただし、どこでも一方的に増えているわけではない。
環境条件や他の動物との関係によって、
定着の度合いには大きな差がある。
⚖️ 3. 在来と外来という考え方
在来種と外来種という区分は、
「良い」「悪い」を決めるための言葉ではない。
重要なのは、
- もともとその地域にいたか
- 人為的な移動が関与したか
- 生態系への影響があるか
という点だ。
外来であること自体が問題なのではなく、
影響の大きさと調整の必要性が問われる。
イタチの場合も、
地域ごとに状況は異なり、
一律の評価はできない。
🔍 4. 現場での区別と課題
ニホンイタチとチョウセンイタチは、外見がよく似ている。
体色や大きさだけでの判別は難しく、
現場では混同されやすい。
そのため、
- 分布情報の整理
- 遺伝的調査
- 地域ごとの記録
が重要になる。
「イタチが増えた」「減った」という印象だけでは、
実態を正確に捉えることはできない。
在来・外来を区別することは、
管理や保全を考えるための出発点にすぎない。
🦡 詩的一行
イタチは、境界を越えながら、別の名前を与えられてきた。
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