ヒラメという魚は、日本だけの存在ではない。
砂底に伏し、体を平たく使うという設計は、
世界中の海で、何度も選び取られてきた。
大西洋にも、太平洋にも、
そして冷たい海にも、温帯の海にも。
ヒラメ型の魚は、異なる環境ごとに姿を変えながら広がっている。
ここでは、日本のヒラメを基準に、
世界のヒラメ類がどのように分化してきたのかを見ていく。
🟦 目次
🌍 1. ヒラメ型魚類の世界的な広がり
ヒラメ型の魚は、
カレイ目という大きなグループの中に含まれる。
このグループは、
南極を除くほぼすべての海域に分布している。
特に、沿岸の砂底という条件がそろう場所では、
必ずと言っていいほど見られる。
体を横倒しにし、
目を片側に集め、
伏せて待つ。
この設計が、
世界中の海で、
繰り返し有効であることを示している。
🌊 2. 太平洋のヒラメ類 ― 沿岸と寒冷域
太平洋には、
日本のヒラメ(Paralichthys olivaceus)を含め、
多様なヒラメ類が分布している。
北太平洋では、
オヒョウのように巨大化する系統が現れた。
寒冷な海域では、
成長に時間がかかる一方、
長寿で大型になる傾向がある。
一方、温帯域では、
沿岸の浅場に適応した中型種が多い。
定着性が高く、
地域ごとに分布が細かく分かれる。
太平洋のヒラメ類は、
環境の幅に応じた多様化が特徴だ。
🌊 3. 大西洋のヒラメ類 ― 深さと大型化
大西洋にも、
ヒラメ型の魚は広く分布している。
特に北大西洋では、
大型化する系統が目立つ。
オヒョウ類はその代表だ。
水深のある海域では、
深場での待ち伏せに適した体型が発達した。
獲物は、
深場を回遊する魚や頭足類になる。
大西洋のヒラメ類は、
水深と体格の関係がはっきりしている。
🧭 4. 地域差が生んだ違い
ヒラメ型という基本設計は共通している。
だが、地域ごとに細かな違いが生まれている。
体の厚み、
成長速度、
最大サイズ、
活動する水深。
これらの違いは、
海流、水温、獲物の種類といった条件によって形づくられた。
世界のヒラメ類を見ると、
同じ設計が、環境に応じて微調整されてきたことが分かる。
🌊 詩的一行
ヒラメの形は、世界の砂底で、何度も確かめられてきた。
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