🦢ハクチョウ5:コハクチョウ ― 小さな旅人 ―

ハクチョウシリーズ

分類:鳥綱 カモ目 カモ科 ハクチョウ属
学名:Cygnus columbianus
分布:シベリア北部・アラスカで繁殖し、日本・中国・韓国などで越冬
体長:約115〜127cm/翼開長約195〜210cm
体重:6〜7kg
食性:水草・根・落穂などを採食する植物食
特徴:オオハクチョウよりやや小型。くちばしの黄色部分が少なく、穏やかな表情を持つ。群れで渡り、家族単位で行動する。


― 小さな旅人 ―

夕暮れの田んぼに、白い翼が舞い降りる。
それがコハクチョウ。
オオハクチョウよりも小さな体で、遠い北から旅してくる。
風の中で鳴き交わしながら、彼らは冬の日本をやさしく彩る。


🌾目次


🌿 姿 ― やわらかな白

コハクチョウは白鳥の中で最も親しみやすい姿をしている。
オオハクチョウほど大きくなく、くちばしの黄色も控えめ。
その小さな体には、やわらかな気配と穏やかな眼差しが宿る。
光を受けると羽毛が透け、まるで風の中で呼吸しているようだ。


💨 渡り ― 家族で旅する

コハクチョウはシベリアやアラスカで繁殖し、秋になると南へ渡る。
V字編隊を組み、風を読みながら数千キロの旅を続ける。
親子が声を掛け合い、若鳥がその背を追う。
渡りの空には、家族の絆という見えない線が描かれている。


🏡 人との距離 ― 田んぼに降りる翼

冬、日本各地の田んぼや湖に姿を見せる。
夕暮れ、落穂をついばむ姿はどこか穏やかで、人の生活と溶け合っている。
かつては遠い北の鳥だった彼らが、今では冬の風景の一部になった。
人の営みのすぐそばで、自然の呼吸が続いている。


🌙 詩的一行

光の降る田に、白い旅人が帰ってくる。


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