【基礎情報】
分類： マメ科ダイズ属（Fabaceae・Glycine）
学名： Glycine max（青大豆系品種）
原産： 東アジア（地域ごとの選抜品種）
生育環境： 畑地、栽培管理された農地
草丈： 60〜100cm（立性）
葉： 大型三小葉、緑が濃い
花： 白〜薄紫、夏に咲く短日植物
莢： 毛に覆われ、内部に2〜3粒
種子： 緑色の種皮・子葉（クロロフィルを保持）、大粒〜中粒
利用： 味噌、煮豆、菓子、大豆加工品、地域食文化
青大豆は、大豆の中でもひと味違う。
皮や子葉に緑色（クロロフィル）を残したまま成熟し、
風味が濃く、甘みが深い独特の豆だ。
“緑の大豆” と呼ばれることもあり、
地域色の強い品種が多いことでも知られている。
色と味に、その土地の気配が静かに宿る豆でもある。
🕊️ 目次
📜 緑色が残る理由 ― クロロフィルの豆
青大豆が“青い”理由は、
クロロフィル（葉緑素）が成熟段階まで残るためだ。
多くの大豆は成熟すると黄色に変わるが、
青大豆は緑の色素を保持する特性を持つ。
この性質は品種によって固定され、
地域ごとの選抜の中で受け継がれてきた。
色は見た目だけでなく、
風味にも深く関わる要素になっている。
🌱 形と味わい ― 青大豆ならではの風味
青大豆は一般的に甘みが強く、風味が豊かだ。
煮豆にすると、緑がかった色がやさしく残り、
特徴的な香りが立つ。
粒は中粒〜大粒が多く、
皮がやや厚めで煮崩れしにくいため、
味噌や豆菓子の材料としても重宝されている。
黄色い大豆とは違う“旨さの方向”があり、
料理ごとに選ばれることの多い豆だ。
🏞️ 地域に根づく青大豆 ― 各地の個性
青大豆は、地域性がとても強い。
代表的なのは、山形県の秘伝豆（ひでんまめ）。
大粒で甘みが濃く、枝豆・煮豆のどちらにも向く人気品種だ。
ほかにも、東北の“青畑豆”、
新潟や長野の伝統系青大豆、
関西で育てられる大粒の青品種など、
各地で土地に合った青大豆が育てられてきた。
その味は、気候と土と人がつくりあげたもの。
同じ“青”でも、地域が変わればまったく違う表情を見せる。
🌙 詩的一行
緑を残した豆の奥に、土地の息づかいが静かに広がっていく。
コメント