水田のそば、畑の土、乾いた風の中。
大豆はずっと、人の暮らしを支えてきた植物だ。
けれどその姿は、ただの“食材”ではない。
草原を生きた野生のツルマメから生まれ、
人が選び続けてきた形の積み重ねが、
いま畑に揺れる一粒の中に残っている。
🕊️ 目次
📜 ダイズという植物 ― 基本の姿
ダイズはマメ科ダイズ属の一年草。
野生種・ツルマメの特徴を受け継ぎながら、
人の手によって少しずつ形を変えてきた植物だ。
畑に育つ大豆は、まっすぐに立ち、
風に揺れながら葉を広げ、季節を受け取る。
そのどれもが、長い年月の選択の結果として
“この形” にたどり着いている。
🌿 形としくみ ― 根・葉・花・莢
ダイズの根は深く潜り、
周囲に根粒菌を宿して土を豊かにする。
葉は三枚がセットになった三小葉で、
光をつかむために角度を微妙に変える。
夏には白や紫の小さな花が咲き、
毛に包まれた莢がゆっくり膨らんでいく。
その中で、豆は緑から黄へ、
やがて乾いた秋の色へ移り変わる。
🕊️ 畑での生き方 ― 季節とともに
ダイズは日照時間の変化に敏感で、
夏が過ぎて日が短くなる頃、花芽をつくり始める。
その性質のおかげで多様な品種が生まれ、
地域によって違う生育リズムを生きている。
雨の多い年、乾いた年、風の強い日。
どんな季節でも畑の表情は変わり続け、
大豆はその中で静かにひと粒を太らせていく。
🌙 詩的一行
乾いた畑の上で、豆の重みがそっと季節を深めていく。
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