🦪 アサリ6:食性 ― 濾過摂食と水をきれいにする力 ―

アサリは、目に見える餌を追いかけない。水の中に含まれる、ごく小さなものを取り込みながら生きている。

砂の中に潜り、殻を閉じたまま、水だけを通す。その流れの中で、アサリは必要な栄養を受け取る。

食べるという行為は、同時に水を通すことでもある。アサリの食性は、干潟の環境そのものと深く結びついている。

🦪 目次

💧 1. 濾過摂食という食べ方

アサリは、水中に含まれる微細な粒子を濾し取って食べる。これを濾過摂食という。

  • 方法:水を吸い込み、餌を選別
  • 器官:えら
  • 特徴:自ら探しに行かない

入水管から取り込まれた水は、えらを通過する。その過程で、栄養となる粒子が捕えられる。

🦠 2. 何を食べているのか

アサリの主な餌は、肉眼ではほとんど見えない存在だ。

  • 植物プランクトン
  • 動物プランクトンの幼生
  • 有機物の微粒子

これらは水中に常に漂っている。アサリは、それを逃さず受け取ることで、安定した栄養源を確保している。

🌊 3. 水とともに生きる

アサリの食事は、水の状態に大きく左右される。水が動かなければ、餌も運ばれてこない。

  • 条件:水の流れ
  • 影響:潮汐・波
  • 結果:餌の量が変わる

潮の満ち引きは、単なる環境変化ではない。アサリにとっては、食事のリズムそのものでもある。

🔁 4. 食べることが環境を変える

アサリが水を通すことで、水中の粒子は減少する。その結果、水が澄みやすくなる。

  • 作用:水質の改善
  • 役割:干潟の調整役
  • 影響:他の生き物にも及ぶ

アサリは意図して環境を整えているわけではない。だが、食べるという行為が、干潟全体の状態に影響を与えている。

🌙 詩的一行

食べることが、水を澄ませていく。

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