🦪 アサリ20:これからのアサリ ― 干潟とともに続く生き方 ―

アサリは、未来を語るための象徴ではない。

減った、守らなければならない、再生が必要だ。 そうした言葉は確かに現実を表しているが、それだけでは、この貝の姿を言い切れない。

アサリは、これまでも環境の変化の中で生きてきた。 人の手が入った干潟で、人の暮らしのそばで、増えたり減ったりしながら続いてきた存在だ。

🦪 目次

🌊 1. 変わり続ける環境の中で

干潟は、固定された場所ではない。

潮の流れが変わり、川の流入が変わり、人の利用の仕方が変わる。 それに合わせて、アサリの棲める場所も、少しずつ移り変わってきた。

  • 自然干潟から管理された干潟へ
  • 放置から手入れへ
  • 大量採取から制限付き利用へ

アサリは、安定した環境を必要とする一方で、変化の中に身を置くことで生き延びてきた。

👣 2. 人との距離が決める生き方

アサリは、人から離れすぎても、近づきすぎても生きられない。

まったく手を入れなければ、底質は変わり、稚貝は定着しにくくなる。 一方で、過剰に利用すれば、資源はすぐに枯渇する。

  • 掘る
  • 休ませる
  • 整える

この繰り返しの中で、アサリは人の暮らしと重なって存在してきた。

🔁 3. 続くということ

「これからどうなるか」を断定することはできない。

だが、「続けようとしてきたかどうか」は、これまでの歴史が示している。

漁をやめなかったこと、 干潟を残そうとしたこと、 春になると手に取ってきたこと。

それらの積み重ねが、アサリという存在を現在につないでいる。

未来を約束することはできない。 それでも、干潟とともに生きようとする限り、アサリはその場に現れ続ける。

🌙 詩的一行

掘られ、休まれ、また砂に戻る。

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