🦪 アサリ13:外来二枚貝 ― ホンビノスなどとの関係 ―

干潟にいる二枚貝は、すべて昔からそこにいたわけではない。

人の移動、物流、海を越える船。その流れの中で、外来の二枚貝が日本の海に入り込み、定着してきた。アサリの暮らす干潟も、その影響を受けている。

外来種は、単なる「よそ者」ではない。環境や人の活動と結びつきながら、関係の中で存在している。

【基礎情報】

  • 代表的外来種:ホンビノスガイ(ほか複数種)
  • 学名(例):Mercenaria mercenaria
  • 分類:二枚貝綱/マルスダレガイ目 ほか
  • 原産:北米東岸
  • 分布:東京湾など日本各地に定着
  • 生息環境:浅海・干潟の砂底
  • 大きさ:殻長10cm前後に達する個体も
  • 食性:濾過摂食
  • 定着要因:船舶・人為的移動
  • 在来種との関係:競合・棲み分け・混獲
  • 人との関係:食用・漁業資源

🦪 目次

🚢 1. 外来二枚貝とは何か

外来二枚貝とは、本来その海域に分布していなかったが、人の活動によって持ち込まれ、定着した貝を指す。

  • 船舶のバラスト水
  • 養殖資材への付着
  • 人為的放流や移植

これらは意図的でない場合が多く、気づかないうちに分布を広げてきた。

🐚 2. ホンビノスガイという存在

ホンビノスガイは、近年日本でよく知られるようになった外来二枚貝だ。大型で殻が厚く、存在感がある。

  • アサリよりはるかに大型
  • 砂底に深く潜る
  • 成長が早い

見た目も生き方も異なるが、同じ濾過摂食者として、同じ環境を利用している。

🌊 3. 在来アサリとの関係

外来二枚貝が増えることで、在来のアサリと資源を共有する場面が生まれる。

  • 餌となる有機物の共有
  • 生息場所の重なり
  • 漁での混獲

必ずしも単純な排除関係ではなく、場所によっては棲み分けも見られる。

⚖️ 4. 問題と利用のあいだ

外来種は、生態系への影響が懸念される一方、食用資源として利用されることもある。

  • 在来種保全の課題
  • 新たな漁業資源
  • 管理と共存の必要性

排除か利用かではなく、現実的な関係の中で向き合う必要がある。

🌙 詩的一行

海を越えた殻も、同じ水を通して生きている。

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