🟦 カワセミ9:繁殖 ― 崖に掘る巣穴 ―

カワセミの繁殖は、
目立たない場所で、静かに始まる。

枝の上ではなく、
水辺の土の崖に、嘴で穴を掘る。

この章では、
カワセミがどのように繁殖場所を選び、
巣をつくり、子を育てていくのかを整理する。

🟦 目次

🪵 1. 巣穴という選択 ― なぜ崖なのか

カワセミは、木の枝に巣を作らない。
繁殖期になると、
水辺の土の崖を選ぶ。

この崖は、
自然河川の浸食によってできたものや、
人工的な土手であることもある。

  • 条件:崩れにくい土質
  • 位置:水面から近い
  • 利点:外敵から見えにくい

崖に穴を掘ることで、
地上の捕食者や、
空からの視線を避けることができる。

巣穴は、
カワセミにとって最も安全性の高い繁殖場所だ。

🕳️ 2. 巣穴掘り ― 嘴で削る作業

巣穴は、
主に嘴と脚を使って掘られる。

作業は数日から一週間以上かかり、
つがいで交代しながら進められることが多い。

  • 深さ:およそ50〜100cm
  • 形:奥で広がる横穴
  • 床:特別な巣材は敷かない

巣穴の奥は、
外から光が入らず、
温度と湿度が安定している。

この環境が、
卵と雛を守る役割を果たす。

🥚 3. 産卵と抱卵 ― 巣の中で進む時間

産卵は、
数日に分けて行われる。

  • 卵数:5〜7個前後
  • 抱卵:雌雄で分担
  • 期間:約19〜21日

巣穴の中では、
外の状況はほとんど分からない。

親鳥は、
出入りの回数を抑えながら、
卵を温め続ける。

抱卵期は、
繁殖の中でも、
最も動きが少ない時期だ。

🐣 4. 育雛 ― 巣穴の中の子育て

孵化した雛は、
しばらく巣穴の奥で育つ。

親鳥は、
魚をくわえて巣穴に運び、
雛に与える。

  • 給餌:小魚を丸ごと
  • 期間:約3〜4週間
  • 成長:急速

巣穴の中では、
糞がたまりやすいが、
親鳥が定期的に外へ運び出す。

巣立ちのころ、
雛は巣穴の入口に顔を出し、
外の世界を知り始める。

🪵 詩的一行

カワセミは、土の中に、次の世代の居場所を掘る。

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