カタツムリは、ゆっくりとしか移動しない。
それでも、世界のあちこちで分布を広げてきた。
その多くは、
自力で渡ったのではない。
人の移動とともに運ばれた。
外来種の問題は、
「よそから来た生き物が悪い」という単純な話ではない。
人の活動がつくった環境の歪みが、
カタツムリという存在を通して表に出ている。
🐌 目次
🚢 1. どうやって運ばれたのか
カタツムリやナメクジの外来種の多くは、
意図せず人の手で運ばれてきた。
苗木、野菜、土、木材、コンテナ。
卵や幼体は小さく、
気づかれないまま移動する。
ゆっくりした生き物ほど、
人為移動の影響を強く受ける。
動かないからこそ、運ばれる。
🌱 2. 農業被害として見える側面
農地や家庭菜園では、
外来のカタツムリ・ナメクジが問題視されることがある。
若い葉や芽を集中的に食べ、
短期間で被害が目立つ。
だが、それは「食欲が強い」からではない。
天敵が少なく、抑制が効かない環境で増えやすいだけだ。
被害は、生き物の性質よりも、
環境の単純化と管理方法に左右される。
⚖️ 3. 在来種との関係
外来種は、
在来のカタツムリと競合することがある。
餌、隠れ場所、湿った環境。
条件が重なれば、
増殖力の高い種が優位に立つ。
結果として、
在来種が静かに減っていくこともある。
だが、ここでも原因は単独ではない。
人が作り替えた環境が、競争のバランスを変えている。
🧭 4. 問題の本質はどこにあるか
外来種問題は、
「排除すれば解決する」ものではない。
なぜその種が増えたのか。
なぜ抑えられなかったのか。
その問いを抜きにして、
対処だけを重ねても、
別の形で同じ問題が現れる。
カタツムリは、
環境の歪みを増幅して見せる存在なのだ。
🌙 詩的一行
運ばれたのは、殻だけではなく、人の都合だった。
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