山で生きてきたモミジは、
人の手によって、別の姿を与えられてきた。
枝の形、葉の色、成長の仕方。
自然の中では目立たなかった変化が、
園芸の場で選び取られていく。
園芸品種のモミジは、
自然とは違う基準で形づくられた存在だ。
この章では、
人が選び、残してきたモミジの姿を見ていく。
🍁 目次
🌱 1. 園芸品種とは何か ― 選抜の歴史
園芸品種とは、
自然界に現れた個体差の中から、
人が特定の特徴を選び、増やしたものだ。
モミジでは、江戸時代以降、
多くの品種が作り出されてきた。
選ばれたのは、
生存に必須ではないが、美的価値の高い形質だった。
🎨 2. 葉色の多様化 ― 赤・紫・斑入り
園芸品種でまず目を引くのが、葉色だ。
春から秋まで赤い葉を保つもの、
紫がかった色を見せるもの、斑が入るものもある。
これらは、
色素の量や分布が変化した結果だ。
自然下では不利になることもあるが、
園芸では個性として価値を持つ。
🌿 3. 樹形の変化 ― 矮性・枝垂れ
樹形にも、大きな変化が現れている。
背が低くまとまる矮性品種、
枝が下に垂れる枝垂れ品種。
これらは、
限られた空間で育てやすい。
自然林では成立しにくいが、
人の環境に合わせた姿として定着した。
🏡 4. 管理と限界 ― 自然との違い
園芸品種のモミジは、
自然環境にそのまま戻すことは難しい。
乾燥、直射日光、病害虫。
管理がなければ、
本来の姿を保てないものも多い。
それでも、
人が手をかけ続けることで成立する自然として、
一つの価値を持っている。
🍁 詩的一行
園芸のモミジは、人のまなざしの中で育ってきた。
🍁→ 次の記事へ(モミジ19:紅葉狩りの起源)
🍁← 前の記事へ(モミジ17:世界のカエデ類)
🍁→ モミジシリーズ一覧へ
コメント