カブトムシは、
守られるだけの存在ではない。
同時に、
放っておけば残る存在でもない。
人とカブトムシの関係は、
長いあいだ、近すぎるほど近かった。
いま問われているのは、
その距離を、どう保ち直すかということだ。
🪲 目次
🧭 1. 「守る」と「関わる」のあいだ
生き物を前にしたとき、
人は二つの言葉を使いたくなる。
守ること。
関わること。
だが、
その二つは必ずしも同じではない。
過剰に守ろうとすれば、
触れられない存在になる。
過剰に関われば、
疲弊させてしまう。
カブトムシは、
その中間に位置する存在だ。
🏕 2. 飼うこと・見ること・離すこと
カブトムシとの関わり方には、
いくつかの段階がある。
飼うこと。
観察すること。
見つけて、そのままにすること。
どれが正しい、という話ではない。
重要なのは、
その行為が何を生むかを理解しているかだ。
捕まえることは、
責任を引き受けることでもある。
🌳 3. 環境を残すという選択
個体を守ることと、
環境を残すことは、別の話だ。
カブトムシにとって必要なのは、
特別な保護区ではなく、
更新され続ける雑木林だ。
落ち葉が積もり、
朽木が生まれ、
樹液がにじむ。
そうした条件が、
静かに続いていくこと。
それが、
最も確実な未来の残し方だ。
🔁 4. 距離を取り直すという発想
人は、
近づくことだけを関わりだと考えがちだ。
だが、
距離を取ることも、立派な関係だ。
毎年必ず捕まえなくてもいい。
毎回飼わなくてもいい。
見つけて、
そのまま夜に返す。
そうした選択が、
これからの関係をつくっていく。
🌙 詩的一行
カブトムシは、離れすぎず、近づきすぎない場所で待っている。
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