🦠 カビ17:青カビ ― チーズと腐敗の境界 ―

カビシリーズ
  • 分類:菌界/子嚢菌門/ユーロチオミケス綱/ユーロチオ目/トリココマ科/主にペニシリウム属
  • 和名:アオカビ
  • 学名:Penicillium spp. ほか
  • タイプ:糸状菌(カビ)
  • 分布:世界中
  • 主な生息環境:食品、土壌、室内、熟成環境
  • 栄養様式:主に腐生
  • 増殖:無性胞子(分生子)
  • 代表的な見え方:青緑色〜青灰色の粉状・斑点状
  • 人との関わり:チーズ熟成、食品変敗
  • 備考:利用と忌避の境界が文脈によって変わる

青カビは、
食品の上で、最も評価が分かれるカビだ。

同じ色、同じ質感。
ある場面では「価値」とされ、
別の場面では「廃棄の合図」になる。

チーズの表面に広がる青と、
冷蔵庫の奥で見つかる青。
違いは、管理と文脈にある。

青カビは、
境界線の上に立つカビだ。

🦠 目次

🧀 1. 熟成を進める青 ― チーズの中で

一部のチーズでは、
青カビが意図的に利用されている。

管理された温度と湿度のもとで、
青カビは内部に広がり、
風味や質感を変えていく。

  • 環境:熟成庫
  • 役割:たんぱく質・脂質の分解
  • 結果:香りと味の形成

ここでは、
青カビは異物ではない。
工程の一部として扱われる。

🥖 2. 食品変敗としての青カビ

一方で、
意図せず食品に現れた青カビは、
変敗の兆候とみなされる。

管理されていない環境では、
どの種が、どの程度広がるかは分からない。

  • 状況:家庭・流通過程
  • 評価:廃棄対象
  • 理由:予測不能性

同じ青でも、
扱いは大きく変わる。

🧪 3. 同じ属、違う役割

青カビと呼ばれるものの多くは、
ペニシリウム属に属する。

だが、
種や株によって性質は大きく異なる。

分解能力、代謝産物、
好む環境。
それらの違いが、
役割の差を生む。

「青カビ」という呼び名は、
見た目によるまとめにすぎない。

🔍 4. 境界を決めるもの

青カビが価値になるか、
忌避されるか。

それを決めるのは、
色や属ではない。

管理・目的・文脈
この三つがそろったとき、
青は「意味」を持つ。

青カビは、
人の判断によって、
立場を変えるカビだ。

🫧 詩的一行

青カビは、価値と廃棄のあいだに立っている。

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