- 分類:菌界/ケカビ門(接合菌類)/ムコール綱/ムコール目/ムコール科/ムコール属
- 和名:ケカビ属 など
- 学名:Mucor spp.
- タイプ:糸状菌(カビ)
- 分布:世界中
- 主な生息環境:食品、土壌、植物残渣
- 栄養様式:主に腐生
- 増殖:無性胞子(胞子嚢胞子)/有性生殖(接合胞子)
- 代表的な見え方:白色〜灰色の綿毛状コロニー
- 人との関わり:食品変敗、発酵文化(地域的)
- 備考:初期は白く、時間とともに色調が変化する
ムコール属は、
食品の表面に、白い綿のような姿で現れることが多い。
パン、果物、調理済みの食材。
やわらかい素材の上で、
一気に広がる。
その見た目は、
「まだ大丈夫そう」にも、
「もう手遅れ」にも見える。
ムコールは、
変化の途中を可視化するカビだ。
🦠 目次
⚪ 1. 白い綿毛 ― 初期コロニーの姿
ムコール属は、発生初期に白く見える。
これは、胞子ではなく、
菌糸そのものが表面を覆うためだ。
- 初期:白色・ふわふわした質感
- 進行:胞子形成で色調変化
- 視認性:早期から目につく
粉状ではなく、
綿のように立ち上がる点が、
他のカビとの違いになる。
🧵 2. 構造の特徴 ― 隔壁をもたない菌糸
ムコール属の菌糸は、
隔壁(仕切り)がほとんどない。
これは、
子嚢菌類の多くとは異なる点だ。
- 菌糸:多核・隔壁なし
- 成長:非常に速い
- 結果:短時間で面を覆う
この構造が、
ムコールの「一気に広がる」印象をつくっている。
🍞 3. 食品との関係 ― 早く広がる理由
ムコール属は、
水分を多く含む食品でよく見られる。
やわらかく、
分解しやすい基質では、
菌糸が抵抗なく伸びる。
- 好む条件:高湿度・栄養豊富
- 対象:パン、果物、調理食品
- 結果:短期間で全面に広がる
ムコールは、
競争に強いというより、
先に広がる戦略を取っている。
🔍 4. 原始的な系統としての位置
ムコール属は、
菌類の中でも比較的初期に分岐した系統に属する。
接合胞子を形成する有性生殖は、
菌類進化の古い形を残している。
複雑さではなく、
速さと単純さを武器にしてきたカビだ。
🫧 詩的一行
ムコールは、白く広がり、変化の始まりを知らせる。
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