カビは、何かを「壊している」ように見える。
食べ物を変え、木を弱らせ、形を崩していく。
だが自然界では、その働きは破壊ではない。
役目としての分解だ。
生き物の体も、落ち葉も、木材も、
そのままでは次へ渡れない。
カビは、それらを細かくほどき、
循環の中へ戻す存在として働いている。
見えにくいが、欠けると成り立たない役割だ。
🦠 目次
♻️ 1. 分解者とは何か ― 役割としての位置づけ
自然界では、生き物は三つの役割に分けて考えられる。
生産者・消費者・分解者だ。
- 生産者:植物など、栄養をつくる存在
- 消費者:それを食べる動物
- 分解者:残ったものを分解する生物
カビは、このうち分解者に属する。
死んだ生物や排出物を、そのまま放置せず、
環境に戻す役割を担っている。
分解がなければ、
世界は使い終わった物質で埋まってしまう。
🌿 2. 有機物をほどく ― 分解のしくみ
カビは、外部に酵素を出し、
大きな分子を小さく分解する。
セルロース、でんぷん、たんぱく質。
そのままでは使えない物質を、
吸収できる形に変える。
- 方法:外部消化
- 対象:植物・動物由来の有機物
- 結果:無機物・小分子へ
この過程で、物質は形を失う。
だが、消えてはいない。
次の生き物が使える形へ、変わっている。
🍂 3. 森と土壌 ― 落ち葉を返す働き
森の地面には、毎年大量の落ち葉が積もる。
それらは、やがて姿を消していく。
その背後で働いているのが、
カビを含む分解者たちだ。
- 役割:落ち葉・枯れ木の分解
- 影響:土壌の形成
- 結果:養分の再利用
カビは、木質成分を分解できる数少ない存在だ。
この能力が、森の更新を支えている。
🔄 4. 循環の中のカビ ― 次の命へ
分解によって生まれた養分は、
植物に吸収される。
その植物を、
また別の生き物が利用する。
カビは、目立つ位置にはいない。
だが、循環の輪のつなぎ目に立っている。
終わりを始まりに変える。
それが、分解者としてのカビの役割だ。
🫧 詩的一行
カビは終わりをほどき、次へ渡している。
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