🦠 カビ4:生きる場所 ― 空気・水・壁・皮膚 ―

カビシリーズ

カビは、特定の場所にだけ現れる生き物ではない。
むしろ、生きる条件が揃った場所すべてが、カビの居場所になりうる。

暗い場所、湿った場所、使われなくなった隙間。
そこに特別な意味はない。
温度・湿度・栄養がそろえば、カビは静かに根を下ろす。

自然界でも、人の暮らしの中でも、
カビは環境の一部として存在してきた。
「どこにいるか」を知ることは、
カビという生き物の距離感を知ることでもある。

🦠 目次

🌬️ 1. 空気 ― 見えない通路

カビそのものは動かない。
だが、胞子は空気中を移動する。

室内でも屋外でも、空気は常に循環している。
その流れに乗って、胞子は距離を越える。

  • 存在:空気中に常在
  • 役割:分散の媒体
  • 特徴:目に見えない

空気は、カビにとっての道だ。
意図も方向も持たず、
条件の整った場所へ偶然届く

💧 2. 水と湿り気 ― 生存の前提条件

多くのカビは、乾燥した環境では活発に生きられない。
湿り気は、カビの生活に欠かせない条件だ。

  • 必要:一定以上の湿度
  • 供給源:水滴、結露、湿った空気
  • 影響:菌糸の伸長を助ける

水は、栄養を運び、代謝を進める。
だからカビは、乾いた場所よりも、
湿りが留まりやすい場所を選ぶ。

🏠 3. 壁・床・建物 ― 人工環境の中で

人の住まいは、カビにとって新しい環境だ。
だが、完全に異質な場所ではない。

建材、壁紙、木材、ほこり。
そこには、カビが利用できる素材が存在する。

  • 発生しやすい場所:浴室、窓周り、床下
  • 条件:湿度・通気の偏り
  • 広がり:表面から内部へ

カビは、家を壊そうとしているわけではない。
そこにあるものを、分解して使っているだけだ。

人工物の中でも、カビは自然界と同じ論理で生きている。

🧍 4. 皮膚と表面 ― 生き物の外側

生き物の体表も、ひとつの環境だ。
皮膚の表面には、水分と有機物が存在する。

  • 場所:皮膚表面
  • 条件:湿り・温度
  • 関係:一時的・常在的

ここで重要なのは、
「存在する」ことと「影響を与える」ことは別だという点だ。

カビは、常に作用する存在ではない。
多くの場合、ただそこに留まっている。

生きる場所を広げているのではなく、
条件に応じて現れているにすぎない。

🫧 詩的一行

カビは場所を選ばず、条件のほうを待っている。

🦠→ 次の記事へ(カビ5:カビの時間感覚)
前の記事へ(カビ3:体のしくみ)
🦠→ カビシリーズ一覧へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました