カビは、特定の場所にだけ現れる生き物ではない。
むしろ、生きる条件が揃った場所すべてが、カビの居場所になりうる。
暗い場所、湿った場所、使われなくなった隙間。
そこに特別な意味はない。
温度・湿度・栄養がそろえば、カビは静かに根を下ろす。
自然界でも、人の暮らしの中でも、
カビは環境の一部として存在してきた。
「どこにいるか」を知ることは、
カビという生き物の距離感を知ることでもある。
🦠 目次
🌬️ 1. 空気 ― 見えない通路
カビそのものは動かない。
だが、胞子は空気中を移動する。
室内でも屋外でも、空気は常に循環している。
その流れに乗って、胞子は距離を越える。
- 存在:空気中に常在
- 役割:分散の媒体
- 特徴:目に見えない
空気は、カビにとっての道だ。
意図も方向も持たず、
条件の整った場所へ偶然届く。
💧 2. 水と湿り気 ― 生存の前提条件
多くのカビは、乾燥した環境では活発に生きられない。
湿り気は、カビの生活に欠かせない条件だ。
- 必要:一定以上の湿度
- 供給源:水滴、結露、湿った空気
- 影響:菌糸の伸長を助ける
水は、栄養を運び、代謝を進める。
だからカビは、乾いた場所よりも、
湿りが留まりやすい場所を選ぶ。
🏠 3. 壁・床・建物 ― 人工環境の中で
人の住まいは、カビにとって新しい環境だ。
だが、完全に異質な場所ではない。
建材、壁紙、木材、ほこり。
そこには、カビが利用できる素材が存在する。
- 発生しやすい場所:浴室、窓周り、床下
- 条件:湿度・通気の偏り
- 広がり:表面から内部へ
カビは、家を壊そうとしているわけではない。
そこにあるものを、分解して使っているだけだ。
人工物の中でも、カビは自然界と同じ論理で生きている。
🧍 4. 皮膚と表面 ― 生き物の外側
生き物の体表も、ひとつの環境だ。
皮膚の表面には、水分と有機物が存在する。
- 場所:皮膚表面
- 条件:湿り・温度
- 関係:一時的・常在的
ここで重要なのは、
「存在する」ことと「影響を与える」ことは別だという点だ。
カビは、常に作用する存在ではない。
多くの場合、ただそこに留まっている。
生きる場所を広げているのではなく、
条件に応じて現れているにすぎない。
🫧 詩的一行
カビは場所を選ばず、条件のほうを待っている。
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