タイは、特別な餌だけを追う魚ではない。
だが、何でも無造作に食べるわけでもない。
砂を探り、岩をのぞき、底を歩く生き物を噛む。
ときには小魚を追い、
ときには殻ごと砕いて飲み込む。
タイの食性は「雑食」と表現される。
だがそれは、妥協ではなく、環境に合わせて選び続ける能力のことだ。
この章では、タイが何を食べ、どのように捕食し、
なぜその戦略が長く通用してきたのかを整理する。
🐟 目次
🍽️ 1. タイは何を食べているのか
タイの主な餌は、海底に暮らす生き物だ。
とくに、動きが遅く、確実に捕らえられるものが中心になる。
- 甲殻類:エビ、カニの幼体
- 軟体動物:二枚貝、巻貝
- 多毛類:ゴカイなどの環形動物
- 魚類:小型魚、弱った個体
- その他:ウニ類、海藻片
餌の内容は、地域や季節によって変わる。
タイは、特定の餌がなくなっても、
別の資源へ切り替えることができる。
🦷 2. 底を食べる ― 探索型の捕食
タイの捕食の基本は、探すことだ。
底を泳ぎながら、砂や岩の間を口で探る。
視覚だけでなく、
水の動きや微かな気配を頼りに、
餌の位置を特定する。
- 行動:底近くを低速で移動
- 動作:口で砂を吸い、吐き分ける
派手な追跡はしない。
確実に食べられるものを、
確実に得る。
この堅実さが、
タイの捕食の基本姿勢だ。
🐟 3. 小魚を狙う ― 機会的な捕食
タイは捕食魚でもある。
ただし、常に小魚を追い回すわけではない。
弱った魚、逃げ場の少ない状況。
条件が揃ったときにだけ、
短距離で一気に仕留める。
- 捕食距離:短い
- 回数:多くない
この捕食は、主食というより、
効率の良い補助的資源として位置づけられる。
追いかけ続けるより、
待ち、拾い、選ぶ。
それがタイのやり方だ。
🧠 4. 雑食という生存戦略
雑食は、何でも食べることではない。
状況に応じて食べ方を変えられることだ。
タイは、餌が豊富なときには選び、
乏しいときには受け入れる。
この柔軟さが、
環境変化や人為的影響の中でも、
個体数を保ってきた理由のひとつだ。
速さでも、鋭さでもない。
折り合いをつける力が、
タイを支えている。
🌊 詩的一行
タイは、選びながら食べることで、海の変化に遅れずについてきた。
🐟→ 次の記事へ(タイ7:成長と色)
🐟→ 前の記事へ(タイ5:生息環境)
🐟→ タイシリーズ一覧へ
コメント