ヒラメは、どこにでもいる魚ではない。
深海にも、岩礁にも、外洋にも向かない。
必要なのは、伏せることができる底と、
獲物が流れ着く水の動き。
ヒラメは、条件がそろった場所にだけ、静かに定着する。
環境を知ることは、
ヒラメという魚が、どこで成立しているのかを知ることだ。
🟦 目次
🌊 1. 沿岸性の魚 ― ヒラメの基本的な生息域
ヒラメは、主に沿岸域に生息する魚である。
水深数メートルから、深くても数十メートル程度までが中心だ。
外洋を回遊することはなく、
一度定着した場所の周辺で生活を続ける。
沿岸域は、
栄養が流れ込み、小魚や甲殻類が集まりやすい。
ヒラメにとっては、待っていれば獲物が来る場所だ。
🏖 2. 砂底と砂泥底 ― 伏せられる環境
ヒラメが選ぶ底質は、岩ではない。
砂、あるいは砂と泥が混じった底だ。
砂底は、擬態が成立し、
体を伏せることができる。
- 砂底:最も適した環境
- 砂泥底:やや柔らかいが利用可能
- 岩礁:基本的に不向き
伏せられない場所では、
ヒラメの戦略は成立しない。
環境の選択は、体の設計と直結している。
🌡 3. 水温と季節 ― 好む条件
ヒラメは、比較的冷涼な水温を好む魚だ。
極端に暖かい海域では、生息が制限される。
日本周辺では、
季節によって浅場とやや深い場所を行き来する。
水温の変化に合わせて、
成長段階や行動範囲を調整する。
これも、長距離移動をしない魚ならではの適応だ。
🗾 4. 分布 ― 日本と世界のヒラメ
日本で一般に「ヒラメ」と呼ばれるのは、
Paralichthys olivaceus という種である。
分布は、
北海道南部から九州沿岸まで、
広い範囲に及ぶ。
世界的には、
ヒラメ類は北太平洋、北大西洋を中心に分布する。
いずれも、沿岸の砂底という条件を共有している。
分布は広いが、
成立する場所は限られている。
ヒラメは、環境を選ぶ魚だ。
🌊 詩的一行
ヒラメは、伏せられる場所を見つけた海にだけ、残ってきた。
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