サギは、じっと立っている鳥だと思われがちだ。
だが水辺をよく観察すると、その狩りは決して単調ではない。
待つ個体、歩く個体、水をかき回す個体。
同じサギでも、状況によって狩りの方法を切り替えている。
この回では、サギがどのように獲物を探し、
何を食べ、どんな戦略で水辺を利用しているのかを整理する。
🪶 目次
🐟 1. サギの主な食性
サギは肉食性の強い鳥だが、
特定の獲物だけに依存しているわけではない。
- 魚類:小魚、稚魚
- 両生類:カエル、オタマジャクシ
- 甲殻類:エビ、カニ
- 昆虫:水生昆虫、バッタ類
- 小動物:ネズミ、小型爬虫類
この幅広い食性が、
河川、湿地、田んぼ、干潟といった多様な水辺への適応を可能にしている。
サギは「魚食の鳥」ではなく、
水辺にいる生き物を逃さない捕食者だ。
⏳ 2. 待ちの狩り ― 静止という戦略
もっともよく知られているのが、待ちの狩りだ。
サギは浅瀬に立ち、
首を折り畳んだまま動かずに待つ。
獲物が射程に入った瞬間、
首が伸び、くちばしが突き出される。
この方法は、エネルギー消費が少なく、
濁りのない水辺で特に有効だ。
待つことは、何もしないことではない。
水の流れ、影、反射を読み続ける、
高度な集中状態である。
🚶 3. 歩行による狩り ― 探しながら進む
水が濁っている場所や、
獲物の密度が低い場所では、
サギは歩きながら狩りを行う。
浅瀬をゆっくりと進み、
足元や前方の動きを探る。
この方法は、田んぼや干潟でよく見られる。
小さな生き物を踏み出しによって驚かせ、
動いたところを狙う。
待ちと歩行は対立する戦略ではない。
環境に応じて切り替えられる、
柔軟な狩り方だ。
🌊 4. 攪拌行動 ― 水を動かして獲物を出す
一部のサギ類は、
水をかき回すような行動を見せる。
足で水底を踏み、
尾羽や翼を広げて影を作る。
これにより、
底に隠れていた魚や甲殻類が動き出す。
特にコサギなどでよく見られるこの行動は、
環境を変えて獲物を引き出す狩りだ。
サギは、ただ待つ鳥ではない。
水辺の条件に応じて、
行動を組み替える捕食者である。
🌾 詩的一行
サギは、水辺の動きそのものを、狩りの一部にしている。
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