コウモリは、ときに「危険な動物」として語られる。
病気を運ぶ存在、触れてはいけない存在。
だが、その多くは断片的な情報が、 恐怖として増幅された結果でもある。
この章では、コウモリと病気の関係を、 科学的な距離感で整理していく。
🦇 目次
🧪 1. 病原体を持つという事実
コウモリは、いくつかのウイルスや細菌を体内に保持することがある。
これは事実だ。
ただし、これはコウモリに限った話ではない。
多くの野生動物は、特定の病原体と共存している。
コウモリが注目されやすい理由は、
- 種数が多い
- 集団で生活する
- 長寿である
といった、生態的な特徴にある。
病原体を「持つ」ことと、 病気を「広める」ことは、同義ではない。
📏 2. 感染はどのように起こるのか
人が病気に感染するには、 いくつもの条件が重なる必要がある。
- 直接接触:咬傷・体液への接触
- 媒介:他の動物を経由
- 環境:不衛生な処理・密集
自然状態で、 飛んでいるコウモリから感染することは、 極めてまれだ。
多くの事例では、 人為的な接触や環境改変が介在している。
🧍 3. 人との距離 ― 日常でのリスク
日常生活において、 コウモリと適切な距離を保っていれば、 過度に恐れる必要はない。
- 触らない
- 捕まえない
- ねぐらを荒らさない
これは、 他の野生動物と接するときの基本と同じだ。
問題は、 恐怖から排除や破壊が進むことにある。
⚖️ 4. 誇張と現実のあいだ
一部の感染症は、 「コウモリ由来」と強調されてきた。
だが実際には、
- 人の行動
- 環境破壊
- 家畜との距離
こうした要因が重なった結果として、 問題が表面化することが多い。
コウモリは、 原因ではなく、 変化の影響を受けやすい存在でもある。
🌙 詩的一行
コウモリは、恐れの象徴ではなく、境界に立たされた存在だった。
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