顕微鏡の中では、世界の速度が変わる。
人の目には一瞬で過ぎてしまう時間の中で、
生きるか、食べられるかが、静かに決まっていく。
動物プランクトンの多くは、ミリメートル以下の大きさで生きている。
それは「未熟だから小さい」のではない。
小さいままでいることが、生存戦略として選ばれてきた結果だ。
このサイズの世界では、速さよりも、気配が重要になる。
見えないこと、当たらないこと、見つからないこと。
捕食と逃避は、常に同時に進行している。
🦐 目次
🔬 1. ミリ以下というスケール
動物プランクトンの代表であるカイアシ類の体長は、
およそ0.5〜2mmほど。
ミジンコ類や輪形動物は、さらに小さい。
- 体長:数十マイクロメートル〜数ミリ
- 生活空間:水の粘性が支配的な世界
- 時間感覚:人よりも速い反応が必要
このサイズでは、水は「流れるもの」ではなく、
まとわりつくものになる。
泳ぐという行為自体が、私たちの感覚とはまったく異なる。
🦐 2. 小さな体がもたらす利点
小さな体は、弱さであると同時に、強さでもある。
捕食者にとっては、
狙いにくく、効率の悪い獲物になるからだ。
- 透明性:視覚的に見えにくい
- 表面積:浮力を得やすい
- 代謝:成長と繁殖に集中できる
動物プランクトンは、
体を大きくする代わりに、
数を増やすことを選んできた。
⚡ 3. 捕食と逃避の瞬間
この世界の捕食は、一瞬で終わる。
魚の仔魚、クラゲの触手、
あるいは別のプランクトン。
- 感知:水の振動を感じ取る
- 反応:一瞬の跳躍・沈降
- 失敗:そのまま捕食される
動物プランクトンは、
逃げ切ることを前提にしていない。
逃げ切れない個体がいることを含めて、戦略なのだ。
🌊 4. サイズが決める役割
ミリ以下の体は、
生態系の中で特別な位置を占めている。
- 捕食者:植物プランクトン
- 被食者:魚類・クラゲ
- 役割:エネルギーの中継点
もしこのサイズ帯の生き物が欠ければ、
海や湖の食物網は、途中で途切れてしまう。
小ささは、支えるための条件だった。
🌙 詩的一行
小さな体は、世界を渡すための形だった。
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