※この記事は、カドミウム・無機ヒ素について「結論が分かるように」できるだけ簡単にまとめた要約記事です。
専門的な数値や評価式は省き、国の調査で「今どんな状態か」を大まかに整理しています。
カドミウムと無機ヒ素、結局どうなの?
国の最新調査を「農産物全般の視点」でやさしく整理(2025年12月)
「重金属」「ヒ素」と聞くと、どうしても不安を感じやすい。
けれど現実は、ゼロか危険か、という単純な話ではない。
カドミウムもヒ素も、土や岩に由来して自然界に広く存在する元素だ。
農産物にもごく微量が含まれることがあり、
大切なのは国がどう調べ、どう下げ、どう管理しているかという点になる。
■ カドミウムとヒ素は、どこから来る?
カドミウムは、主に土壌中に含まれる金属で、作物が根から吸収することがある。
そのため、農産物では「田畑の条件」が影響しやすい。
ヒ素も自然界に広く存在し、土や水を通じて作物に取り込まれる。
食品では「無機ヒ素」と「有機ヒ素」に分けて考えられ、
一般に無機ヒ素のほうが注意の対象とされている。
■ なぜ「農産物全般」の中でも、米がよく調べられるのか
野菜、豆、麦など、どの農産物にも微量の可能性はある。
その中で国が特に重点的に調査しているのが米だ。
理由は単純で、米は日本人が日常的に多く食べる食品だから。
食べる量が多い食品ほど、わずかな濃度の違いが摂取量に影響する。
そのため米は、基準設定や継続的な実態調査の中心になっている。
■ 基準はどうなっている?
カドミウム(米)については、日本で基準が定められており、
玄米・精米ともに0.4 mg/kg 以下とされている。
無機ヒ素(米)については、国際的な基準が目安として使われており、
精米で0.2 mg/kg、玄米で0.35 mg/kgが最大基準値として示されている。
ここまでが「ものさし」。
次に見るべきなのは、実際の調査結果だ。
■ 最新の国の調査で、実際どれくらい出ている?
農林水産省は、近年収穫された国産米を対象に、
カドミウムと無機ヒ素の含有量を調査している。
その結果、カドミウムについては、
すべての調査サンプルが基準値を下回る範囲に収まっていた。
無機ヒ素についても、分布のばらつきはあるものの、
全体としては過去の調査より低い水準に整理されている。
これは偶然ではなく、
産地で進めてきた栽培管理や低減対策が反映されている結果と考えられている。
■ 「前より低くなった」というのは、どういう意味か
重要なのは、
「出た・出なかった」ではなく、継続的に調べて、下げているという点だ。
国の調査は、
・実態を調べる
・対策を進める
・もう一度測る
という流れで続けられている。
今回の結果は、
そのサイクルが機能していることを示す一つの確認でもある。
■ 私たちは、何を気にすればいい?
結論は、過度に恐れるより、現状を知っておくことだ。
- 国は基準を設け、定期的に調査している
- 最新の調査では、全体として低下傾向が示された
- 特定の食品を極端に避ける必要はない
日常でできる現実的な工夫としては、
同じ食品ばかりを食べ続けず、食材の種類を分けることが基本になる。
■ まとめ(超要約)
- カドミウム・無機ヒ素は自然由来で、食品に微量含まれることがある
- 米は主食のため、重点的に調査・管理されている
- 最新の国の調査では、全体として低下傾向が確認された
- 怖がるより、「管理が続いている現実」を知ることが大切
🌾 国内ニュース(食品と環境)
🧾 出典:農林水産省「国産米中のカドミウム・無機ヒ素含有実態調査(令和4〜6年産)」/食品中のヒ素Q&A/食品中のカドミウム基準値
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