国際的な密猟・密輸取締で記録的摘発
― Interpolが明らかにした最大規模の闇市場(2025年12月)
国境を越えて広がる野生動物の黒市場に、
2025年、過去最大級の摘発が入った。
Interpol(国際刑事警察機構)が主導した国際作戦
「Operation Thunder 2025」。
134か国が参加し、密猟・密輸ネットワークに一斉に踏み込んだ。
■ 押収・救出された野生動物は3万点以上
報告によると、作戦の結果、
約3万点を超える野生動物・植物・木材製品が押収・救出された。
対象となったのは、
ゾウ牙、サイ角、レア植物、
蝶類・爬虫類・両生類・鳥類、
野生哺乳類の皮革・骨製品、
違法伐採による木材――。
その種類と量は、
違法取引の広がりが加速していることを示している。
■ 密猟組織は国境を越え、オンラインへ広がる
Interpolは声明で、
「環境犯罪は、国境を越えて最も速く広がる犯罪のひとつ」
と述べている。
摘発の対象には、
野生動物を狩り、輸送し、加工し、販売する
国際的な犯罪ネットワークが含まれた。
違法販売は、闇市場だけでなく、
SNSやオンライン取引にも広がっており、
捜査はかつてない複雑さを増している。
■ 加速する環境犯罪 ― 背景にあるのは高まる需要
世界的に、
野生動物の肉・皮・骨・装飾品・薬用素材などへの需要は根強く、
希少種であるほど高い価値がつく。
その需要に応えるため、
密猟組織は不法なルートを開拓し、
取引はより巧妙に、より高速に動いている。
今回の大規模摘発は、 そうした闇市場の一端を照らし出したにすぎない。
■ 野生動物を守るために ― 必要なのは国際協力
密猟は、単なる環境問題ではない。
国家をまたぐ犯罪であり、
世界経済と治安に影響を及ぼす問題でもある。
Interpolは、さらに各国との連携を深め、
違法取引のルートを断つための
モニタリングと摘発を継続するとしている。
国境を越える犯罪には、 国境を越える捜査が必要だ。
🌍 せいかつ生き物図鑑・世界編
― 国際摘発が示す“いのちの闇市場” ―出典:Interpol / Reuters / AP News “Operation Thunder 2025”報道(2025年12月)
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