🐈ネコ18：嫌われ者の側面 ― 鳥害・外来種問題と誤解 ―

ネコは人にとって身近な存在である一方、野外では小型動物への影響が大きい捕食者でもある。とくに鳥類や小型哺乳類に関して、ネコの存在が問題視されることがある。

しかし、その議論の多くは“ネコそのものが悪い”というより、 「人がつくった環境・飼育管理・外来化の過程」が原因となっている。ここでは、生態的な影響と誤解を整理し、問題の本質を見ていく。

🐈目次

ネコは優れた捕食者であり、野外で生活する場合、鳥類や小型哺乳類を狩ることがある。生態学的に見れば、これはネコ本来の捕食行動にすぎない。

問題は“ネコが狩る”こと自体ではなく、 その場にネコを含む環境構造ができてしまっていることにある。

ネコが批判される大きな理由のひとつが、外来種化の問題。本来ネコがいなかった島や地域に人が持ち込み、野外で繁殖した場合、在来生物に影響することがある。

外来種化は、ネコ自身の選択ではなく、 人間活動の結果として生じた構造的問題である。

都市や農村では、ネコによる影響がしばしば誤解される。生態的実態よりも、印象や断片的な観察が原因となりやすい。

ネコ単体で語られる問題は多いが、その多くは“環境と人の行動が作り出した結果”として理解する必要がある。

ネコと人、野生生物が同じ地域で暮らすには、管理と共存の視点が欠かせない。

鍵になるのは、 「ネコの生態を理解し、人間側の行動を調整すること」だ。ネコを否定するのでも、放任するのでもなく、環境に合わせて適切に扱うことで、問題は最も小さくなる。

静かな影が通り過ぎ、夜気の中に残る気配だけがやわらかく続いていった。