🌽トウモロコシ20：これからのトウモロコシ ― 持続可能な農業と未来 ―

トウモロコシは長い歴史の中で、草原の野生植物から、世界を支える大規模作物へと姿を変えてきた。穂をつける力、乾燥に耐える根、強い光を受け止める葉。これらの特性が、食料・家畜・産業のすべてを支える基盤となり、今の社会を形づくっている。

だが、気候の変動や土壌の劣化、肥料に依存した農業の限界が見え始めるなかで、トウモロコシの栽培と利用のあり方も変化を求められている。持続可能な農業をどう築くか──これは、トウモロコシの未来というより、人間がどのように自然と向き合い続けるかの問いでもある。

🌽目次

気候が不安定になるなか、トウモロコシ栽培の基盤となる“土と水”をどう守るかが大きな課題となっている。

畑を「続けられる状態」に保つことが、次の時代の農業で最も重要になる。

世界で広く育てられる作物だからこそ、品種の多様性を保ち、環境に合わせた選択が必要になる。

多様性を維持することは、“どんな年でも畑を続けられる”ための保険でもある。

トウモロコシは、食料よりも飼料や燃料として使われる割合が大きい。これをどう捉え、どうバランスを取るかも今後の課題となる。

ひとつの作物に負担をかけすぎない仕組みを作ることが、安定につながる。

世界的な大規模農業がある一方で、日本の農村のような“小さな畑”には別の価値がある。季節の変化、収穫の喜び、地域の景観といった、生活に寄り添う形の農業だ。

農業は、生産だけでなく“暮らしを形づくる場”としての意味を持っている。

揺れる穂の奥に、これからの畑を守る静かな力がそっと息づいていた。